植物由来のアウターブランド「カポックノット(KAPOK KNOT)」は、羽毛の代わりに東南アジアに自生する植物カポックの実からできた繊維を使用し、デザインバリエーション豊かなアイテムを提案する。
創業者の深井喜翔は、大手繊維メーカーに勤め、アパレル業界の大量生産、大量廃棄の現状に課題を感じ、28歳の時に同ブランドを立ち上げた。2019年10月にファーストアイテムとなるコートをクラウドファンディングサイトの「マクアケ(MAKUAKE)」で販売したところ、開始9分で目標の50万円を達成し、合計1700万円以上を調達した。また日本での反響を受けてこのほど、アメリカでのオンライン販売も開始した。
原料となるカポックのわたは“木になるダウン“と呼ばれ、通常の木綿のわたの1/8の軽さで、吸湿発熱といった機能性も備える。カポックの木1本からは約コート30着分のわたを採集することができ、木を伐採することなく土地の環境に負荷を与えずに調達ができる。アイテムはこのカポックの機能性や着膨れしない特徴を生かしたジャケットやチェスターコート、ステンカラーコートなどで、メンズ、ウィメンズ合わせて10型をそろえる。価格は3〜5万4000円。公式ECサイトを軸に、新宿マルイと有楽町電気ビルにある体験型店舗「ベータ(B8TA)」でも取り扱う。
今季から同ブランドのデザインを手掛ける満汐国明は、江角泰俊が手掛ける「エズミ(EZUMI)」やイタリアの「コスチューム ナショナル(COSTUME NATIONAL)」でデザイナーを務めた経験を持つ人物だ。満汐デザイナーは「長く着用してもらうため、1970年代や80年代のディテールを参照したクラシックなアイテムを提案していく。コートの購入を通して、自分の選択が地球環境の再生に貢献していると感じられる体験を提供したい」と言う。
自社ECサイトはメディア機能を持たせ、サステナブルな衣食住にまつわる情報を網羅的に発信していく。さらに、購入者を中心としたオンライン上のコミュニティーを運営し、環境問題解決に向けたアクションや情報交換なども行う予定だ。