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「サステナに取り組んでいる」という企業の説明を信じる人はたった20% 英比較サイトの調査

 環境保護に対する関心の高まりとともに、サステナビリティに取り組む企業が増えている。しかしアパレルブランドのエシカル度(倫理的かどうか)の比較サイトを運営するコンペア・エシックス(COMPARE ETHICS)の調査によれば、“サステナブルな商品を扱っている”というブランドの説明を信頼すると答えたのは、回答者の20%にすぎなかったという。

 同社のアビー・モリス(Abbie Morris)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「最近はサステナビリティなど、自分の価値観と合致する企業やブランドの商品を買いたいと考える消費者が増えているが、見せかけだけの対応をしてもいずれ見破られる。データや情報を正直に公開して誠実に取り組んでいることを示さない限り、消費者の信頼を失ってしまう。“グリーン・ウオッシュ(見せかけの環境配慮)”は、最終的に大きな損失を生むことになる」と語った。

 コンペア・エシックスは、アパレルブランドの環境や人権問題に関する情報をまとめて検索および比較できるサービスがないことから、2018年にロンドンで創業。独自の評価テクノロジーを使い、社会や環境、動物に配慮しているかなどの条件に基づいてさまざまなブランドを格付けしており、現在50ブランドとその商品およそ3500点の評価が完了している。なお今回の調査は、18~65歳の男女1250人を対象に行われた。

 地球温暖化などの問題に取り組む非営利団体CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト、Carbon Disclosure Project)と、気候変動に関する調査などを行う非営利団体クライメイト・アカウンタビリティー・インスティテュート(Climate Accountability Institute)が17年に発表したリポートによれば、1988年以降、世界の温室効果ガスの70%以上がたった100社によって排出されているという。

 こうした情報が容易に入手できる現代において、大企業や大手ブランドに向ける消費者の視線が厳しくなるのは当然のことだろう。コンペア・エシックスの調査では、回答者の83%が“第三者機関の認定を受けているブランドのほうが信頼できる”とし、53%が“縫製業の環境改善に最も影響力があるのはアパレルブランドだ”と答えている。また“労働者に最低限の生活賃金しか支払っていないブランドはサステナブルだと思うか”という質問に対して、そう思うとしたのは回答者の22%のみだったことを考えると、環境問題だけでなく人権問題への取り組みも重要だ。

 人身売買の被害者支援や女性の貧困問題に取り組んでいるオーストラリア発のデニムブランド、「アウトランドデニム(OUTLAND DENIM)」のジェームズ・バートル(James Bartle)創設者は、「消費者はよりエシカルな商品を買いたいと思うようになっており、ブランド側にその証拠の提示を求めている。そうしたデータを正直かつ積極的に開示するブランドは、今後大きく成長できると思う。消費者と真の意味での信頼関係を結ぶことが大切だ」と述べた。

 ファッション業界のサステナブルでエシカルな起業家に投資するロンドン・ファッション・ファンド(LONDON FASHION FUND)のウェンディー・ハメット(Wendy Hammett)=アドバイザーは、「コロナ禍の影響で個人消費は減少している。消費者とのつながりや市場シェアを維持するため、ブランドはサステナビリティに関する実績や信頼性をしっかりと築く必要がある」とコメントした。

 環境や人権問題に真剣に取り組んでいることを証明するのは、企業やブランド側の責任だ。米アマゾン(AMAZON)は顧客が環境に配慮した商品を簡単に見つけられるようにするため、「クライメイト・プレッジ・フレンドリー(Climate Pledge Friendly)」プログラムを9月23日に立ち上げた。これは自社で扱う商品を対象に、サステナビリティに関するさまざまな外部の認証機関と連携して条件を満たすものに独自のラベルを貼るというものだが、今後は小売店などでもこうした試みが広がっていくかもしれない。

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