ビューティ

「プレゼントですか?」と言われないための脅迫を懺悔 エディターズレター(2020年9月11日配信分)

※この記事は2020年9月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

「プレゼントですか?」と言われないための脅迫を懺悔

 脅迫罪の時効は、3年だそうです。ということで既に時効が成立しておりますので、本日は私の懺悔をお話します。気恥ずかしさゆえ迷走を極め、美容部員をビビらせていた買い物の話です。

 数年前は「イプサ」の化粧液、「ME」こと「メタボライザー」を愛用していました。この化粧液、肌実感はもちろん、価格と使いやすさ、そして男子の自宅にも溶け込むデザインで、ものすごく気に入っていたのです。最初は思い切って、横浜高島屋のカウンターで肌診断。自分の肌が、「ME」独自のマトリックスで「右上」のゾーンに位置することを知ると、次回以降はカウンターに行っても「『メタボライザー』の右上で、美白とかないヤツください」とだけ発声。「よろしかったら、コチラにどうぞ」とカウンターを勧められても「イヤ、急いでいるので」とだけ返し、「あ、でも青い石鹸のサンプルがあったらください」と付け加え、「クレンジング マリンケイク」の試供品はちゃっかりゲットしておりました。出張にちょうどいいんです、コレ(笑)。ちなみに、青い石鹸が「クレンジング マリンケイク」という名称なのは、知っていました。が、「男子なのに、製品名がスラスラ言えるなんて恥ずかしい」というナゾな自意識が働き、「青い石鹸」という言葉を繰り返したのです。

 そう、今思えば「気恥ずかしかった」のです。その気恥ずかしさは徐々にこじれ始め、ある時、「そうか。ビューティ業界の人を装えばいいんだ!」との考えに達し、以降は比較的通好みなビューティブランドのショッパーを持って「イプサ」のカウンターに向かう、という行為に発展します。当時愛用していたショッパーは、「ジョンマスターオーガニック」や「ウカ」。今思えば、こんなショッパー持っても美容部員さんはビューティ業界人とは思わず、「あぁ、本当にビューティ好きな男性なのね。うれしいわ」って考えるでしょうが(笑)、本人は業界人を装っています。ショッパーを持って、なんとなく眉間にシワを寄せながらカウンターに向かい、コルトンとかコフレをチェックして“業界人感”を表現し、最速で立ち去っていたのです。なんてプレッシャーな顧客でしょう。振り返れば「軽い脅迫?」と思いますが、男子は男子なりに大変なんですよ(笑)。横浜高島屋の皆様、ご迷惑をお掛けしました。ちなみに「キールズ」の「ナイト モイスチャー マスク」も愛用しておりましたので、季節に1回は全く同じことを「キールズ」のカウンターでも繰り返しておりました。重ねてお詫び申し上げます。

 ということで、しばらく前に話題になった「いちとせしをり」さん(Twitter検索をどうぞ!)が、「プレゼント用ですか?」と聞かれずにコスメが買えた喜びを語ったツイートには、大変共感した次第です。さすがに私は、もはやジェルネイルの指で伊勢丹新宿本店の地下2階でオーガニック&ナチュラルコスメを物色してもへっちゃらですが(美容部員さんは、尚も(さらに!?)ビビってるかもしれませんw)、「プレゼント用ですか?」に傷つく人は多いって言いますよね。私もいまだウィメンズのスポーツウエアを物色している時は、「プレゼントをお探しですか?」なんて話しかけられないよう、変なオーラを出しているフシがまだまだあります。「接客バリア」を発動しているのです。そう考えるともうこの言葉、ショップスタッフから発しなくても良いのかな?って思います。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。