ビューティ

愛され企業の「エコシステム」

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 2021年1月25日号「CEO特集」取材のため、ビューティ各社のトップからいろんな話を聞いている。これだけビューティにどっぷり浸るのは、「WWDビューティ」が週刊紙として誕生した13年前にデスクに就任して以来。自分の心が、大きく変化しているのに驚いた。10年前は「コンサバだなぁ」としか捉えられなかった企業のビジネスモデルが、今は「イマドキだなぁ」と思うようになっているのだ。(この記事はWWDジャパン2020年12月14日号からの抜粋です

 具体的に言えば、コスメにおける専門店ビジネスと、ヘアにおけるサロン専売品を手掛ける企業だ。専門店、いわゆる町の化粧品店と確固たる関係性を構築するアルビオンのビジネスモデルは、13年前は正直「伝統的かつ土着的」だとばかり思っていた。芽生えたばかりのECに消極的だったことは、「専門店への忖度」とさえ思っていたフシがある。サロン専売品メーカーのビジネスモデルは、もっと愚直だった。各地の営業所から片道1、2時間をかけて定期的に“サロン詣”して、数十分待たされた挙句、オーナーとは数分だけあいさつして終了。そんな話を聞くたび、脳裏には「時代遅れ」という言葉が浮かんでいた。

 だが今はなんだか、そのビジネスモデルが魅力的に映る。アルビオンは地方の化粧品店が減少、駅ビル内の都心店さえ上層階に追いやられる光景を目の当たりにして、専門店へのサポートを強化。年商2億円の専門店を100店舗、1億円の専門店を200店舗生み出すべく、「ヒット商品をみんなで磨いてロングセラーに育てる」(小林章一社長)と話す。取材中、小林社長が繰り返したのは「みんな」という言葉。「みんな」にはアルビオンの従業員はもちろん、専門店も含まれているのだろう。同社は緊急事態宣言の発令に伴い「特例措置」としてスタートしたECを5月末で潔く終了した。各社がDXをうたう中、あくまで専門店と一緒にビジネスを育む。

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