高級輸入ランジェリーの「オーバドゥ(AUBADE)」や家具を輸入販売する栄進物産が、化粧品の取り扱いを開始した。1952年創業の日本大手のOEMメーカーと提携し、ハーブや漢方を使用した訪販中心のオリジナル化粧品を栄進物産が運営する輸入下着のセレクトショップであるマリアネリ(MARIANELLI)などで紹介している。
栄進物産はコスメティック事業部を7月にスタート。きっかけは、栄進物産の篠崎恵美ランジェリー・コスメティック事業部長が、化粧品業界出身だったことが大きい。篠原部長は、「ランジェリーを好きな人の観点とコスメ好きの人の感性が近いと感じていた。両方、人に見えない部分を気に掛けるもの。素肌をキレイにするという親和性の高さも感じる」と話す。同部長が、ランジェリーとコスメを融合したサロンを手掛けたかったこともあり、栄進物産で化粧品を取り扱うことになった。
“安心・安全で肌実感がある化粧品”ということから、取り扱うのは篠崎部長が20年以上愛用する化粧品ブランド。それは、OEMメーカーの社長夫人のために開発されたもので、香料や石油系の合成界面活性剤や合成色素は使用せず、限りなく皮脂成分に近い化粧品だ。訪問販売が主体で一切宣伝広告はせず、社長夫人のクチコミなどで東京・山の手に住む女性たちの間で広まった。長年にわたり成分を変えず、パッケージも至ってシンプル。しかし、肌のターンオーバーを促し健やかに保ってくれて値段以上の効果が感じられるという。篠崎部長は、「OEM大手のオリジナルでブランド名を出すことはできないが、手間ひまかけて美肌をつくるブランド。筋トレ同様で、使い続けると肌のトーンやツヤに変化が見られ楽しくなる」と話す。スキンケアやヘアケア、メイク、サプリメントなどがあり、中心価格帯は3000〜5000円と手に取りやすい価格だ。
栄進物産では、訪問販売スタッフを抱えて製品の認知拡大を図ると同時に、オンラインサロンの運営も視野に入れている。篠崎部長は「コスメ事業がスタートして5ヶ月。取引先を通してコツコツとサンプルを送付する種まきの日々だが、一度購入すると、ほぼ全員がリピーターになってくれる。マリアネリでも、イベント開催やサンプル配布をして顧客が増えており、伸び代があると感じている」と言う。コロナ禍で、消費者の価値観が大きく変化しつつある。「本当に必要なものは何か、自分に本当に合うものは何か」と改めて考えさせられる今、誰もが知るブランドではなく、“知る人ぞ知る”化粧品への需要が高まる可能性もあるだろう。