TikTokはウインドーショッピング
リンクの1本目で紹介する「ボッテガ・ヴェネタ 」のインスタアカウント削除、記事の通り能動的削除なのだとしたら、なかなかの勇気です。フォロワー数250万人のアカウントをポイ!ですよ!!その衝撃は、フィービー・ファイロ時代の投稿を全てポイして、フィードをゼロから作り直した「セリーヌ」の比ではありませんでした。ダニエル・リーはとっても穏やかで小柄ではありますが、ジムホリックで体を鍛え上げています。「ストイックゆえのブレイブ(勇気)なのだろうか?」そんなコトを考えます。
世間はとかくDXとかデジタル・コミュニケーションとか言いますが(私も、ですがw)、手法や作業こそ違えど、その目的や本質は大昔から変わりませんよね。例えばOMOは「オンラインとオフラインを融合」ではありますが、その目的は「オンラインでも、オフラインでも、お客さまに最高の体験を」です。となるとOMOって、その原型は江戸時代と言われる外商と大差ないのでは?なんて思ったりするのです。だって今の外商って、「お店にいらした時も、ご在宅の時も」っていうビジネスでしょう?それって、「リアル店舗でも、(自宅で)ネットと繋がっている時も」のOMOと何が違うのでしょうか?そう考えると、論理は飛躍しすぎていますが、「インスタグラムがなくっても、どうにかなる!いや、どうにもなる!!」って考えが芽生えても不思議ではないと思うのです。
昨年末にはTikTokのセミナーに登壇させていただいたのですが、ご担当者様の「結局TikTokは、ウインドーショッピングみたいなもの」という言葉に新鮮な衝撃を覚えました。確かに独特のアルゴリズムを有するTikTokからは、「興味のど真ん中」以外のコンテンツも流れてきて、それがいずれもユーモアに溢れているせいかボーッと見続けてしまいます。興味があるものは真剣に、そうでもないものはそれなりに(笑)。すると時々「おおっ!」と食い入るセレンデピティ(偶然の出会い)とエンカウントしてしまい、そこから検索が始まってしまう。それがTikTokですが、まさにウインドーショッピングですね。普段は「あぁ、ステキね」くらいで通過してしまいますが、時々「おおっ!」と見入るショーウインドーに遭遇してしまい、そこから店舗に導かれる。限りなく類似しています。
ウインドーショッピングって、いつからあるのでしょう?日本で初めて百貨店がショーウインドーを設けたのは1896年、高島屋の京都店だそうです(レファレンス協同データベースから)。以降私たちは、「和光」や「エルメス」「ミキモト」(私にとってのショーウインドー御三家ですw)のショーウインドーに「わぁ」という感動を覚え、現在に至っています。その「わぁ」は、TikTokでステキな映像に出合った時と同じ感覚なのです。
TikTokと、100年以上前の百貨店が同じとは(すごい飛躍w)!!結局、人間の根本なんて変わらないのだと実感します。
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