ファッション
連載 新世代インフルエンサー名鑑

“美容師あるある”で話題の美容師兼イラストレーターTAKUOに聞く19の質問 インフルエンサー名鑑Vol.7

 インスタグラムを筆頭とするSNSの普及で、「憧れの人」「なりたい人」が細分化している。今は誰もが、それぞれの「なりたい人」を持っている時代。ならば、そんな身の回りの人を改めて知るべきではないか?そこで「WWDJAPAN.com」は、ソーシャルリレーション マーケティング事業を手がけるリデルの協力を得て、身近な新世代インフルエンサー名鑑を作成する。

 今回は、インスタグラムで“美容師あるある”が話題の美容師兼イラストレーターのTAKUO。消費者さえ共感する“あるある”をシュールかつクオリティの高いイラストに落とし込むTAKUOには、美容師業や将来の展望、自信の持ち方など仕事や働くうえでの心構えに関する質問が数多く寄せられた。全ての質問と回答を一挙に公開する(2021年1月4&11日合併号の「WWDジャパン」には、彼が現在に至るまでの経緯やSNSの運用について聞いたインタビュー記事を掲載します)。

美容師業や「あるある」について

Q.1:美容師を目指したきっかけは?

A.1:高校3年生の夏までは音楽関係の道に進もうと思っていました。クラスメイトに美容師を目指している友達がいて、付き添いで行った美容学校のオープンキャンパスでカットの実習をさせてもらった時に、先生にベタ褒めされたのがきっかけです。もともと手先が器用だったので、高校生ながらカットもある程度できてしまいました。

Q.2:美容師になって良かったことは?

A.2:お客様の人生とともに成長できること。一番長いお客さんだと10年くらいのお付き合いがあり、就活や就職、転職、恋愛、結婚、出産など人生のイベントを美容師とお客様という絶妙な距離感で見守ることができました。友達でもなければ、血が繋がっているわけでもありませんが、月に一度来てくれて、さまざまな話ができるのは嬉しいです。

Q.3:美容師を辞めたいと思ったときは、どう乗り切った?

A.3 :本気で辞めようと思ったことは一度だけ。転職しようと思いましたが、お客様から「髪染めて!」「カットして!」というような声を頂き、お客さん様を裏切れないと思って踏みとどまりました。

Q.4:美容師には業界内での繋がりが一番大事?

A.4 :「一番大事か?」と聞かれると、そうではないですね。とにかく個性を大切にしてほしいと思います。個性でしか、この先勝つ方法はありません。9割の美容師がしていることはすべて、個性を潰す行為かなともったいなく感じています。

Q.5:自身のサロンを出す予定は?

A.5 :まったく考えていません。どちらかというと美容師と美容業界を支えていくような活動をしていきたい。もちろん、自分のお客様はこの先も担当したいです。

Q.6:フリーランスのメリットとデメリットは?

A.6 :メリットは、上下関係なく自由に活動できて、給料を自分で決められることです。現状、デメリットに感じていることはないですね。

Q.7:美容学生のうちにしておくべきことは?

A.7 :学生だけでなく、10~20代はとにかくたくさんの失敗を経験すること。つまり色んなことにチャレンジしてほしいです。人の目ばかり気にして挑戦することの大切さを失わないでほしい。そして、とにかく急がない。背伸びや、近道は絶対にしてはいけません。 “最年少なんとか”みたいな肩書きにも憧れないでください。

Q.8:“美容師あるある”は、先輩や後輩など周囲を含めた実体験に基づいている?

A.8 :99%僕の実体験です。中には女性美容師特有の“あるある”もあるので、そこは女性美容師のフォロワーさんに聞いています。実体験でないと、あそこまでの共感と説得力は出せません。

Q.9:なぜ登場人物は金髪のモヒカンなの?

A.9 :もともと髪の毛を描くのが苦手で、簡略化していったらだんだんモヒカン(お椀型)になっただけです(笑)。

働き方や心の持ち方

Q.10:後輩の意欲やモチベーションをあげる方法は?

A.10 :僕の経験上、モチベーションをあげるのはよくないことだと思っています。成功している人の話や、自己啓発本などでいくらでもモチベーションはあげられる。しかし、その急激にあがったモチベーションは天井まで来た時に急降下する。最近、僕のもとに話を聞きにくる人も増えましたが、やはりその数日後にモチベーションは急降下しています。結局、そのギャップで行動に移す事ができないんです。

Q.11:後輩指導で気を付けていることは?

A.11 :僕は長い間フリーランスで後輩がいません。なので、正直分かりません(笑)。

Q.12:どうしたら自分に自信が持てる?

A.12 :人と比べないこととインプットを止めることです。インプットこそ最強の勉強法というのが一般的だと思うのですが、僕の場合まったく逆です。インプットの割合が多くなると頭でっかちになって、結局なにをしていいのか分からなくなります。インプットすればするほど、自分の個性はなくなります。インプットの割合が少ないほど個性が出てくるので、自然と自信につながります。

Q.13:心が折れてしまったときはなにをする?

A.13 :なにもしない……ですかね。というより、最近は心が折れるほどのことがありません。人と比べることを止めたら、そんなに心は折れないですから。

Q.14:憧れの人はいる?

A.14 :1人もいません。憧れを作った時点で僕はその人を超えることはできないし、その人のコピーになる。オリジナルであるために、僕は自分の個性を大事にしています。

Q.15:悩みや不安はある?

A.15 :インプットをやめれば、悩みごとは消えていくので悩まないです。ただ不安はあります。不安があるから世の中面白い。難しいゲームほど燃えますからね。

過去・現在・未来について

Q.16:2020年の個人的ニュースベスト3は?

A.16 :1番目は書籍発売、2番目は共同経営で美容メーカーを立ち上げたこと、3番目は「WWDJAPAN.com」や「オリコンニュース」などの大きなメディアに取り上げていただいたことです。

Q.17:2020年にやり残したことは?

A.17 :ないです。1日を積み重ねた結果が今日だからです。「あの時ああしておけば……」なんていうパラレルワールドは存在しません。

Q.18:結婚に興味はある?

A.18 :一度、離婚経験があるのでなんとも言えないのですが、ご縁があればとは思います。

Q.19:10年後、20年後は何をしている?

A.19:未来設計や目標などを立てるのがすごく嫌い。限界を作ってしまう気がするんです。今、そしてこれからの時代は"激動の変化"に柔軟に対応する必要がある。明日、1週間後、1カ月後がいきなり変わる時代です。だから僕は今、この瞬間を生きています。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。