MOVIE
「「ルイ・ヴィトン」(LOUIS VUITTON)」は2016年春夏パリ・メンズ・コレクションの模様を生中継する。発表日時は9月15日の午前0時から(日本時間)。
REPORT
旅慣れた男は、自身のスタイルにあらゆる国際感覚とスタイルを詰め込む
旅のブランド「ルイ・ヴィトン」の2016年春夏メンズは、世界を股にかける男性の、何でも柔軟に取り入れる国際感覚がポイント。1つの地域にフォーカスし、そこに住む人ならではの洋服にインスピレーションを得たというよりはむしろ、さまざまな国や地域の特性を1つのスタイル、もしくは1着の洋服の中で表現している。
特に何度も融合したのは、タイなどの東南アジアとアメリカだ。今シーズンのコレクションを彩ったのは、タイに長らく伝わる刺しゅうの技法。それをシルクビスコースのスカジャンやボウリングシャツ、ベースボールシャツなど、アメリカンなアイテムの上にのせていく。こうしたアイテムは、総じて体をふんわりと包み込むシルエット。体をなでるプロポーションバランスもまた、東南アジアの人々の装いからイメージを膨らませたものだ。つまり1着の洋服は、東南アジア由来のフォームで作られたアメリカンなウエアで、さらに東南アジアの伝統技法がスパイスとして加えられたもの。まるでアジアとアメリカを何度も行き来するビジネスマンのようだ。レザーは、神戸で生まれたもの。それもまた、アメリカンでマッチョなシルエットのフライトジャケットなどに仕上げていく。
あらゆる国で普及した素材として、デニムにもフォーカスした。今回は、シルクを混紡したり、シルクをインディゴカラーに染めたり、デニムに対するアプローチはラグジュアリー。カモフラ柄のパーカやフィールドジャケット、キルティングブルゾンなどを生み出し、純白やコバルトの“モノグラム”やエクリュカラーの“エピ”のスニーカーとコーディネートしている。アクセサリーは、ペンケースくらいの大きさの“エピ”のポーチからカメラバッグまで。旅慣れた男のレザーグッズは、案外コンパクトだ。