REPORT
民族模様のパッチワークで描くアフリカの旅
コレクション会場に選んだのは、国立移民史博物館。世界各国の民族衣装に着想した渡辺淳弥は、数々のエスニックな模様を取り入れることによって、得意のパッチワークに新しい表情をミックスした。特に強くインスパイアを受けたのは、アフリカの伝統的なファブリック。自然を元に描かれているカラフルなモチーフを、さまざまな形に切り取った。
大きなフラップポケットが付いたコンパクト丈のジャケットに、ショーツや9分丈パンツをコーディネートしたサファリルックが今季のベースになっている。ポンチョカラーパレットも、太陽や大地の色をイメージさせるベージュとテラコッタ。そこに「ジュンヤ」らしいデニムやブルーを差し込んだ。ボウタイをしめたトラッドなスタイルには、骨や石、フリンジなどがたっぷりついた民族独特の大振りのアクセサリーがアクセント。歩くたびにじゃらじゃらと揺れて存在感を放つ。
パッチワークには、英国チェックやペイズリーとともにカラフルなアフリカンモチーフをハイブリッド。ジャケットにはシンメトリーに組み合わせて端正にまとめ、後半のシャツシリーズにはいびつに重ね合わせ独特の幾何学模様を描いた。ランダムな貼り合わせや、時折誇張した太ステッチのディテールが、民族衣装ならではのハンドクラフトの温かみを感じさせた。