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購買とは投票である エディターズレター(2021年1月27日配信分)

※この記事は2021年01月27日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

購買とは投票である

 このお手紙では幾度となく「若い世代のサステナブルに対する意識が頼もしい」旨を伝えてきましたが、今日は決定打をお送りしようと思います。昨年12月、「CEO特集」でザボディショップジャパンの倉田社長を取材した時の話です。

 サステナブルやエシカルが問われる中、「ザボディショップ」ほど大きなポテンシャルを秘めたブランドはないでしょう。地球のことを考えたモノ作りは創業以来ず~っと変わっていませんが、近年その想いは消費者に十分伝わっていないのが正直なところです。ゆえに「フルラ」のジャパン社社長などを歴任してきた倉田浩美新社長は、「創業者の偉業を、現在の消費者の心に響くよう紹介したい」と力強い一言。レガシーをストーリーにして伝えるのはファッションの得意技なので、大きなポテンシャルを感じます。

 その証拠に私と取材に赴いた、一回りも年下と、20近く年の離れた後輩は、瞬く間に倉田社長の話に引き込まれます。ゆえに倉田社長に、「まさに若い世代が、社長やブランドに興味を示し始めていますよ」と隣の後輩を紹介すると、彼女は共感・支持できるブランドから商品を買いたいという想いを吐露して一言。「私にとって、モノを買うことは信任投票みたいな感覚なんです」。はい、決定打、出ました~(笑)。

 少しずつバランスを崩しつつある社会に対して、彼女はいろんな思いを抱えながら仕事をして、生活者として生きているのでしょう。取材で得た知識を日常生活にも生かし、日常生活の想いを仕事にも反映しているだろう彼女にとって、モノを買うとは、信じて良いのか見極めること、自分の生活や信念と相入れられることに通じているのかもしれません。そんな思いが「購買とは、投票」という言葉。ガツンと響く人は、多いのではないでしょうか?少なくとも私にはショックに近いくらい的を射た言葉で、あれから1カ月で4人にこの話を伝えています(笑)。

 「ガツン」と心地よく心に響いた状態で終わりたいので、本日のお手紙はこれにて終了。どうですか、皆さん?私たちは、彼女の信任を勝ち得るようなビジネスを心掛けているでしょうか?

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