※この記事は2020年12月8日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
無印良品の190円の給水ボトルがスゴイ理由
今夏デビューした「無印良品」の給水ボトル&サービスに遅ればせながらハマりました。サービス開始のニュースを読んだときは
>「無印良品」がプラスチックごみ削減を目指して無料の給水サービス開始 給水ボトルも発売
「へ~」と思ったくらいでしたが、いざ自宅近くの店舗で190円の空ボトル(350ml)を購入し給水サービスを受け始めたらハマり、最近は空気が乾燥していることもあり水の摂取量が激増中です。
ハマった理由は
・シンプルで持ちやすい形状・持っていることを忘れるほど軽い
・残量が見えるからつい飲み干す
・店頭で無料で給水ができる(持ち込みボトル可)
・アプリが秀逸1(給水量を記録するとペットボトル削減本数としてカウントされる)
・アプリが秀逸2(給水可能な地点がすぐ分かる)
つまり「無印良品」は私に無料で水を提供しつつアプリを通じて「あなたは地球環境に貢献して偉い!」とほめてもくれるのです。ちなみに給水可能な地点は店頭だけではなく、水道が使える公共施設も含みます。例えば編集部がある六本木で検索をすると「無印良品」東京ミッドタウン店のほか「麻布図書館」などが出てきます。
最近の私の水事情は出勤前に家で給水をして通勤途中に飲み干し、会社で給水をして飲み干し、移動中に近くの「無印良品」の店頭で給水する、といった具合です。ペットボトルはすっかり買わなくなりました。まさに「無印良品」の術中にハマっているというわけです!
「WWDジャパン」11月9日号では「無印良品」を特集し、新潟県上越市の直江津店で行っているバスを使った中山間部での移動販売に1日密着するなど地域社会に貢献する「無印良品」の取り組みを取材しました(まだ読んでいない方はこちらからぜひ!)。担当した五十君記者は特集後に「小売業は、社会のプラットフォームになれる」と書いていましたが、この給水サービスもまさにプラットフォームのひとつだと思います。店舗の利を生かした目からうろこの発想ですよね。
給水を始めた当初は店頭に入って無料で給水だけをすることに気が引けましたが、慣れてしまえばなんのその!心の中で「おじゃましま~す」とつぶやきつつ、給水しています。逆に、訪店頻度が高くなったため数回に一回は予定していなかったモノを買ってしまいます。靴下とか、エッセンシャルオイルとか、お菓子とかですね。入店時に「おじゃまします」と心でつぶやく時点でめちゃくちゃ親近感を抱いているわけですから、水というインフラですっかり心と行動をつかまれているわけです(笑)。
このレターのテーマは「ファッション」ですから「水」の話はテーマには直結しません。だけど昨日、給水ついでにタイツを購入した自分を顧みて、この「給水」から始まる「無印良品」の考え方はファッションを売ることと深く関係しているのだ、と思ったのでした。ホントあっぱれです。
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