ピーターはベルギー出身。デザインと建築を学んだ後、「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS) 」でキャリアをスタートした。「ジル サンダー(JIL SANDER)」を経て、「ディオール(DIOR)」のデザイン・ディレクターに就任。その後、16年から18年までは「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」のグローバル・クリエイティブ・ディレクターを務めた。彼は長年ラフ・シモンズの右腕として共に仕事をしてきたことでも知られ、ラフが「ディオール」で初めて手掛けたオートクチュール・コレクションの舞台裏を追ったドキュメンタリー映画「ディオールと私(DIOR & I)」にも登場していた。
就任に際し、ピーターは「この一流のメゾン、美しいアトリエ、そしてその才能あるチームに加わることは、私にとって信じられない夢のようなこと。常に時代を先取りし、あらゆる芸術と文化を受け入れ、革新的で永続的なクリエイションに対して時間を惜しみなく使うことを目指し続けてきたアズディン・アライアの力強いビジョンは、私のインスピレーション源となってきた。女性らしさを称え、女性をクリエイションの中心に据えるという彼の遺産のようなこの考えを継承していくことに、大きな称賛と責任を感じている。大切な『アライア』の顧客や友人、そしてアライア財団と触れ合い、この伝説的なメゾンの未来を共に作り上げていくことを楽しみにしている」とコメント。
また、ミリアム・セラーノ(Myriam Serrano)最高経営責任者は「ピーターは、卓越した技術的才能と職人技へのこだわり、構造に対する鋭い目、そして私たちのメゾンのクリエイティブなアプローチに深く根付く時代を超越した美しさへの感性を兼ね備えている即戦力だ。これらの資質に、鋭い知性、真の寛大さ、揺るぎない人間性を掛け合わせる彼の創造的なリーダーシップと革新的な力に、私はこの上ない自信を持っている。私たちは『アライア』の基本的な価値観と独特のスタイルを共に未来に受け継ぐことを目指しており、彼の任命はメゾンにとって重要な新たな章の始まりを示している」と語る。
「アライア」は、1979年にチュニジア出身のアライアが設立したメゾン。81年に初のプレタポルテ・コレクションを発表した彼は、身体のラインを強調するニットやレザーのドレスでボディコンスタイルの先駆けとなり、80年代を象徴するデザイナーになった。88年からはファッション・ウイークのカレンダーに左右されず、独自のタイミングでコレクションを発表。2007年には「カルティエ(CARTIER)」や「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)の傘下に入った。