「アットコスメ(@COSME)」を運営するアイスタイルの2020年7~12月期は、売上高が前年同期比2.0%減の156億円、営業損益が5億4400万円の赤字(前年同期は11億円の赤字)、純損益は7億7700万円の赤字(同39億円の赤字)だった。クライアント企業の予算の保守化や、中国越境ECの低迷が影響したグローバル事業の不振により減収となった。一方で、20年1月に東京・原宿にオープンした大型旗艦店「アットコスメトーキョー(@COSME TOKYO)」に伴う先行費用がなくなったことや、販管費などのコスト削減により赤字幅は縮小した。
部門別では、「アットコスメ」を基盤とした各種サービスを展開するオンプラットフォーム事業は、売上高が同12.9%減の34億円、営業利益が同17.7%減の6億7100万円だった。店舗運営をメインとするビューティサービス事業は売上高が同19.9%増の92億円、営業損益が3億2100万円の赤字(前年同期は5億円の赤字)、グローバル事業は売上高が同31.3%減の24億円、営業損益は6600万円の赤字(同4億円の赤字)だった。
吉松徹郎アイスタイル社長は、「グローバル事業の不振による業績悪化から再度、成長軌道にのせるため、今年度においては不採算事業の整理・撤退ならびに収益部門の強化に注力している」という。すでに、タイの景況感が悪化したことを受け、現地に構える2店舗のうち、1号店を1月末に閉店し、2号店の撤退も手続きを開始している。
通期業績見通しはコロナ禍により景況感が悪化したこともあり、合理的に算定が困難と判断し期初予想を一旦取り下げた。
また、ネットとリアルの融合を促進するために、アイスタイルの連結小会社であるEC「アットコスメショッピング(@COSME SHOPPING)」を運営するコスメ・コムと「アットコスメストア(@COSME STORE)」と「アットコスメトーキョー」を運営するコスメネクストを4月1日に吸収合併すると発表した。これに伴いコスメネクストを存続会社としてコスメ・コムは解散し、新会社名はアイスタイルリテールとする。コスメネクストの遠藤宗社長が社長に就任する。吉松社長は、「ネットとリアルをよりシームレスに繋いだ購買体験の提供や拡大を目指すとともに、広告や販促を含めたマーケティングの場として活用しやすい環境を促進する」と述べた。