ルックホールディングス(HD)の2020年12月期は、売上高が前期比15.7%減の370億円、営業利益が同61.7%減の6億3600万円、純利益が同78.6%減の4億3100万円だった。「景気は今後回復していくだろうが、アパレル消費意欲はなかなか戻らないだろう。コロナ禍はブランド間格差を浮き彫りにした。プロパー価格で売り切れるブランドをどれだけ育成できるかを、今後はますます重視していく」と、多田和洋社長
傘下の中核会社であり、国内アパレル事業を担うルックの売上高は同10.4%減の168億円、営業利益は同56.2%減の4億9800万円だった。「コロナ禍の影響で特に1~3月が厳しく、4、5月には店舗の自主休業もあったものの、3月に完了した実店舗とECの在庫一元化、販管費の絞り込み、仕入れの抑制の効果で下期は大幅に回復した。収益構造を強化できたことには一定の手応えを感じている」。国内アパレルの販路別売上高は百貨店が前期から7.1ポイントシェアを下げて22.3%。一方でECは9.4ポイント増の20.5%だった。23年12月期で目標にしていたEC売上高は、21年12月までに達成する見込み。
好調ブランドの代表は「マリメッコ(MARIMEKKO)」。ブランド70周年のイベントを松屋銀座本店で2月半ばから行っているが、初日は510万円を売り上げたという。「コロナ禍でも売れるブランドは売れ続けており、一方で売り上げが半分になるブランドもある。本当に求められているブランドかどうか、ふるいにかけられている」と見る。
子会社アイディールックによる韓国事業を主とする海外事業の売上高は、同3.8%減の186億円と国内アパレル売上高(200億円)に肉薄してきた。「韓国は日本よりもコロナ禍の影響が軽微だったことと、19年に子会社化した伊イルビゾンテ社が卸事業中心だった」ことで、海外事業の落とし幅は国内事業に比べて比較的小さかった。