ファッションとビューティ、オフラインとオンラインを結びつける「WWDジャパン」がスタートするビューティ・インサイトは、「WWD JAPAN.com」のビューティニュースを起点に識者が業界の展望を語る。識者は、美容媒体の編集長やコンサルタント、エコノミスト、そしてサロンスタイリスト。ビューティ業界の半歩先は、ファッション業界の“道しるべ”にもなるだろう。今週は美容師がファンデーションや理容室のサブスクサービスについて語る。(この記事はWWDジャパン2021年2月22日号からの抜粋です)
今週の識者
VAN/「コクーン」代表
■既成概念の変化でデザインレスの時代になるか
新型コロナウイルスのパンデミックによって、私たちは既成概念を変える必要に迫られている。 “ファンデーションはベージュでなくていい”というのも、その一つだと思う。そもそもファンデーションで肌を完璧に仕上げることは今っぽくないという認識があったし、“素肌感”や“すっぴん風”というキーワードはここ数年はやっていた。しかし、自分の肌に自信がないとできないもので、大多数に受け入れられるメイク習慣ではなかったように思う。
美容師である自分自身のカットやデザインのあり方として、“デザインレス”と言っているが、デザインとはヘアスタイルを当てはめるものではなく、人を相手にする以上その人の骨格や髪質などの素材からしか生まれないと考えている。既成概念の変化によって、デザイン(ファンデーションで言えば美しい仕上がり)を先にうたう時代ではなくなったのだろうと感じた。
化粧品ブランドのアウトレット出店に関する“廃棄ロス削減のための出店は、ブランドイメージの崩壊にはつながらない”というのは企業側の都合ではないだろうか。アウトレットで購入する顧客は“B級品だから安い”ことに納得して購入するわけで、そのブランドのメイン顧客とは違う動機で購入する。廃棄ロス削減と言った理由は目に見えにくく、特に化粧品は消耗品だし安ければ良いと捉えられることもあるだろう。
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