※この記事は2020年12月21日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editor's Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「ザ・リアル」業界のDX
皆さんは、ヘア業界にどんな印象を抱いていますか?
「ザ・リアル」と思っている方も多いのではないでしょうか?おっしゃる通り!今年はインスタグラムでの動画配信による「セルフカットのレクチャー」なんてハナシもあったし、20年後には一家に一台ヘアカットロボットなんて時代が到来しているかもしれないけれど、少なくとも現段階では「リアル店舗に行かなくちゃ、ヘアスタイルは(そんなに)変わらない」。もっと言えば、「リアルに手を加えなければ、リアルな自分のヘアスタイルは全然変わらない」は間違いありません。
ゆえにこの世界は、サロンスタイリストのSNS活用を除き、DXが遅い業界だと勝手に思ってきました。ところが最近、それが変わり始めています。
まずはウエラのヘアカラーブランド「イルミナカラー」が、バーチャルモデルでのキャンペーンにトライし、コレがなかなかに成功していると聞きます。「え⁉︎『リアルにどんな髪色になるのか?』が大事なヘアカラーで、自由に色が変えられるデジタル使っちゃっていいの⁉︎」と思ったアナタ!ワタシも、おんなじことを思いました(笑)。だって今なおリアルにヘアカラーを使ったモデルシューティング、私たちもやっていますもの。「イルミナカラー」のキャンペーンは、単なる打ち上げ花火ではなく、「イルミナカラー使ってヘアカラーしているサロンに行きたい」というモチベーションを高めるために効果があったそうです。うむー、世の中、変わっています。
ドラッグストアに目を向ければ、セルフで行うヘアカラーや毛染めのスペースでDXが体験できるそう。バーチャルメイク技術を応用し、バーチャルヘアカラーができるようになりました!この目的は、サステナブル。これまで棚にポップとして飾られていた色とりどりの毛束は、実は全部プラスチック。そのゴミは年間数十トンだそうで、バーチャルヘアカラーは、この問題を一気に解決します。小売店からは若干の抵抗感が示されているそうですが、多分、時間が解決するでしょう。
「ザ・リアル」な業界さえ頑張ってDXに取り組んでいるんだから、我々ももう言い訳できませんね(笑)。何度もお話している通り、DXはゴールではなく過程、もしくは手段だと思いますが、ヘア業界のDXに驚き、なんだか勝手に自信が芽生えたのです。
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