堀内太郎が手掛ける「ティーエイチプロダクツ(TH PRODUCTS)」は、2021-22年秋冬から新たにウィメンズをスタートさせる。20-21年秋冬をもってウィメンズブランド「タロウホリウチ(TARO HORIUCHI)」は休止し、「ティーエイチプロダクツ」に専念する。
定番のウールギャバジンのテーラリングシリーズにスカートとワンピースを加えるほか、各アイテムに女性向けサイズを用意してジェンダーレスなコレクションにする。「メンズとウィメンズの境界はどんどん無くなっている。僕自身ウィメンズのデニムを当たり前に履くし、メンズ向けだった『ティーエイチ』を日常使いする女性客も多かった。性別を意識せず、良いと思った洋服を作るだけ」と堀内デザイナー。
21-22年秋冬は、モールスキン素材のシャツコートやフレンチビンテージをイメージしたデニムアイテムなど、ビンテージに着想したアイテムも増やした。「年代に関係なく、プロダクトとして価値のあるものを提案したい。膨大な古着のアーカイブからピックアップし、ディテールやシルエットを変えて現代的にアップデートするのが僕の仕事だ」。浅草の工房と協業したレザーグッズや、福井・鯖江の工場と組んだアイウエアなど雑貨もそろえ、「コレクションの間口を広げてより多くの人に届けたい」。
「ティーエイチプロダクツ」は、堀内デザイナーが「自分自身が着たいと思える服が作りたい」と考えて18年に設立した。黒や白、グレーを基調とし、テーラリングをベースとしたミニマルなクリエイションが持ち味だ。日本製にこだわり、コートで12万円前後、ジャケットで5〜9万円、パンツで3〜5万円という価格帯で、立ち上げから3年で約35アカウントまで拡大している。休止する「タロウホリウチ」は約45アカウントに卸していたが、「『ティーエイチプロダクツ』は性別を超えて支持されるポテンシャルがある。休止した売り上げもカバーできる」と自信を見せた。