スニーカーにまつわる噂話のあれやこれやをアトモス(ATMOS)の本明社長に聞く連載。学生から主婦まで、“1億総転売ヤー時代”の今、多くの若者がスニーカーで小銭を稼いでいるのは周知の事実。転売に夢中になるのは自由だが、どうせなら「もっと大きな志を持とう」という社長からのメッセージ。(この記事はWWDジャパン2021年3月8日号からの抜粋です)
本明秀文アトモス社長(以下、本明):最近、ユーチューブの「アトモスTV(ATMOS TV)」に出演するようになって、若者から「どうやってビジネスを始めればいいんですか?」っていう質問をたくさんもらうようになった。僕はアメリカに行って古着の並行輸入から商売を始めたから、転売と同じような感覚で捉えられることもあるけど、ちょっと違う。この連載でも何度か話しているけど、当時は現代みたいにECで何でも買えるわけじゃないから、フットロッカー(FOOT LOCKER、米最大のスニーカーチェーンストア)の別注やアメリカ限定のような日本で売っていないモノを買い付けていた。年に8回、トータルで80日ぐらいはアメリカに行っていて、1回に300〜400足仕入れていたんだ。それが商売になった。
WWD:いろいろなものが掘り尽くされて、今同じようなビジネスモデルは難しくないですか?
本明:でもアウトレットにはたくさんモノが溢れているから、あるところにはあるよ。「ナイキ(NIKE)」はアメリカの会社だから日本に売っていないモノも多い。それに地域によって売れるモノが違うし、ニューヨークにはないけど、ワシントンD.C.にはあるものもある。あと、例えば「ニューバランス(NEW BALANCE)」の“2002”とかは日本では人気があるんだけど、アメリカではそうでもなくて、恐らくセールになる。70ドル(7420円)になったものが日本なら2万円で売れると思う。アウトレットで手に入る“993”は日本では今3万円でも売れるだろうね。
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