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「ディプティック」から60周年を記念したフレグランス パリの伝説のナイトクラブをイメージ

 「ディプティック(DIPTYQUE)」は創業60周年を記念したフレグランス“オルフェオン(Orpheon)”(75mL、税込2万3100円)を発売した。創業者のデスモンド・ノックス・リット(Desmond Knox-Leet)、イヴ・クエロン(Yves Coueslant)、クリスチャンヌ・ゴトロ(Christiane Gautrot) の3人が通っていたナイトクラブ「オルフェオン」にオマージュを捧げた香りだ。

 オルフェオンはかつてパリで夜8時から朝8時までひっそりと営業していたナイトクラブ。音楽やダンス、ショーが楽しめ、ダンスホールとカクテルバーを併設し、学生や画家、俳優、作家などさまざまな人が集う場所だった。また「ディプティック」1号店に隣接していたため、デスモンドとイヴ、クリスチャンヌは頻繁に通い、彼らにとってサロンであり、夜の隠れ家であり、オフィスでもあった。華やかな時代を過ごしたナイトクラブだったが、その成功は続かず閉店することに。その際、3人はオルフェオンを買い取って隣の「ディプティック」のブティックを増床。そのため、閉店後もブランドにとってゆかりのある場所でもあった。

 創業60周年を記念して誕生した新作のフレグランスは、そんなオルフェオンをイメージ。オリヴィエ・ペシュー(Olivier Pescheux)が調香した。店内を飾ったコーヒーテーブルやカウンターの飾り棚、ダンスフロアの木張りの床はシダーやベチバー、パチュリで表現。イギリスのスピリッツをほうふつとさせるジュニパーベリーのシャープな香りを漂わせ、さらにイタリア産のレモンスライスとグリーンマンダリンもイメージした。さらにナイトクラブに集う女性のパウダリーな香りはコモロ諸島のイランイラン、中国のマグノリア、トルコのダマスクローズで表現した。そこに店内に充満したタバコのムスキーでスモーキーなアクセントを加えた。完成したフレグランスはフレッシュでフローラル、官能的でウッディなジェンダーレスな香りだ。

 パッケージは創業者3人のシルエットを重ねたデザインだ。パリ在住のイタリア人造形アーティスト、 ジャンパオロ・パニ(Gianpaolo Pagni)が手がけた。

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