イタリア発、世界最大級の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市(MILANO SALONE以下、ミラノサローネ)」のクラウディオ・ルーティ(Claudio Luti)会長が4月22日、辞任した。同会長は、家具ブランド「カルテル(KARTELL)」の社長で2017年3月にミラノサローネ会長に就任。新型コロナウイルス感染拡大により、昨年の「ミラノサローネ」中止後は今年9月開催に向けてさまざまな開催の条件構築を行ってきた。しかし、「ミラノサローネ」への参加を見送りたいという企業の意向が多く、質の高いイベントを開催するのが困難な状況になったのが辞任の理由のようだ。
ルーティ会長は、「このようなデリケートで複雑な時期に会長職を辞任するのは苦渋の決断だ。今まで、国際的レベルの見本市を開催することに尽力してきたが、現在、業界全体の連帯という私のビジョンを満たす条件がそろっていない。パンデミックがもたらす不確実性を明らかにできないという部分もあるが、私が懸念しているのは、共通の目的意識を持ちながら失敗に終わったときの損害の大きさだ。『ミラノサローネ』に対する敬意と愛情は変わらないし、今後も支援し続けていく」と述べている。
最近、今年9月の「ミラノサローネ」は開催の方向性にあるという発表があったばかりだが、いまだに感染拡大がおさまらず、ワクチン接種の目処も立たない状況における決断だろう。