「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は2022年以降、リアルファーの使用を廃止する。18年以来同ブランドが所有するファー専門の工場、ヴァレンティノ ポーラーは、21年末に生産を終了。ファーを含むコレクションは2021-22年秋冬シーズンを最後とする。
ヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)最高経営責任者(CEO)は、「われわれにとってブランドを持つということは、クリエイティビティーやユニーク性、思いやりをもち、インクルーシブ(包括的)であることを意味する。“ファーフリー”のスタンスをとることは、われわれらしい選択だ。今後のコレクションに向けて、環境に最大限配慮した代わりの素材の研究を進めている」と語った。
さらに「レッド ヴァレンティノ(RED VALENTINO)」は2023-24年秋冬コレクション発表を最後に、24年に活動を終了する。同ラインは03年設立。カジュアル路線を強みとしてデビューし、日本では11年に青山に旗艦店をオープンした。21年5月にはももいろクローバーZのメンバーであり、女優としても活動する百田夏菜子を起用した新ビジュアルを公開するなど、さまざまな取り組みを行ってきたが今後はメゾンの主要ブランドに焦点を当ててビジネスを展開する。
ヴェントゥリーニCEOはブランドを手掛けるピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)=クリエィティブ・ディレクターについて「職人魂と卓越した技術を持つ彼の美学は、新しいテクノロジーやこれからのビジョンに必要不可欠だ」とし、「われわれの顧客やパートナーたちは日々多くの情報を受け取っている。その中で一つのブランドにフォーカスを当てることは長期的なメゾンの成長につながるだろう」と語った。