化粧品業界では容器にプラスチックを使用するケースが多い。また、歯磨き粉や洗顔料に含まれるスクラブに使われてきたマイクロビーズなどが海に流出して問題となった。こうした状況から各社はプラスチック容器への対応を重要視する。大半の企業はすでに化粧品の空き容器回収を実施するが、取り組みは多岐にわたる。「この記事は「WWDJAPAN」2021年5月31日号からの抜粋に加筆しています)
楽しさや使いやすさを追求する花王
花王は詰め替え用フィルム容器をセットするだけで詰め替えずに繰り返し使える「スマートホルダー」を販売。また詰め替え用に開発したフィルム容器「ラクラクecoパック」に直接つける「らくらくスイッチ」などを発売し、プラスチック使用量を削減しつつ楽しさや使いやすさを向上した提案を続ける。
生分解性の高い新素材を採用した資生堂
資生堂は、海水中での生分解性の高い新素材「カネカ生分解性ポリマー Green Planet」の化粧品容器や用具、什器などへの活用を目的にカネカとの共同開発を2019年4月に開始。20年11 月には「シセイドウ(SHISEIDO)」から新素材を化粧品容器に採用したリップカラーパレットを数量限定発売し注目を集めた。5月にはカラーを3種に拡大し、“PICO”シリーズとして数量限定発売した。「エリクシール(ELIXIR)」は、詰め替え用パッケージ紹介活動を通じて、プラスチックごみの削減を目指すグローバルサステナビリティキャンペーンを4月21日かにスタート。日本やアジアの国・地域全体に拡大し環境負荷低減に向けた取り組みを加速し、23年には年間約400tのプラスチック使用量削減を目指す。25年までには、「エリクシール」の主力商品は全て詰め替え(付け替え)対応する予定だ。
海洋プラごみを活用したパッケージを採用するP&G
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