再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入は、カーボンニュートラルの達成に不可避だ。百貨店や商業施設のサステナビリティ・シフトが進む中、積極的に取り組んでいるのが大丸松坂屋百貨店だ。2019年9月の大丸心斎橋店リニューアルに伴い、本館と南館を再生可能エネルギーにシフト(現在は全館)。ほかにもサプライチェーン全体でのCO2排出量削減に向けてさまざまな動きを見せている。ブランドの商業施設への出店基準に、「再生エネルギー導入状況」が近い将来に含まれることを見据え、社内外でアクションを起こす同社に取り組みについて聞いた。
WWDJAPAN(以下、WWD):大丸心斎橋店を再エネにシフトしたきっかけは?
米山由紀=大丸松坂屋百貨店経営戦略本部経営企画部部長サステナビリティ戦略担当(以下、米山):親会社のJ.フロント リテイリングが2018年にサステナビリティ経営に舵を切ったことだ。まずは19年3月に東京本社ビルの電力を再エネに切り替えた。その後、19年9月に大丸心斎橋店のリニューアルにあたり、同店をサステナビリティ経営のフラッグシップ店舗として打ち出し、本館と南館を再生可能エネルギーに変更した。
WWD:本社と心斎橋店は、どこの再エネを利用している?
米山:本社は、東京電力の水力発電による再エネを購入している。大丸心斎橋店は関西電力から購入している。太陽光や風力、動植物から作られるバイオマス発電などによるものだ。再エネにシフトしたことで、対15年比で旧本館時代よりCO2排出量を約7000トン削減できる計算だ。
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