ビジネス

「グッチ」が2025年までの環境負荷削減目標を4年前倒しで達成

 「グッチ(GUCCI)」は、サステナビリティの活動内容をまとめた「グッチ エクリブリウム インパクトレポート」を、「グッチ エクリブリウム(GUCCI EQUILIBRIUM)」サイト内で公表した。

 環境に対する取り組みでは、2020年末までに15年を基準値として、環境負荷総量を44%、温室効果ガス排出量を47%削減し、25年までの目標値を4年前倒しで達成した。さらに18年から引き続き、スコープ1〜3におけるカーボンニュートラルを実現。20年の実績を集計した環境損益計算書(EP&L)は特設サイト内で公開している。コレクションで使用する再生可能な原材料を自社のサプライチェーンから調達することを見据え、環境再生型農業の支援にも積極的に取り組んでいる。

 また人権面での活動では、ジェンダー平等のためのグローバルプロジェクト「チャイム フォー チェンジ(CHIME FOR CHANGE)」を通じて、20年の1年間で1750万ドル(約19億円)以上の寄付金を調達し、89カ国442のプロジェクトに資金提供した。同社の管理職における女性の比率は57.4%となっている。また新型コロナウイルスのパンデミックを受け、ワクチンへの公平なアクセスをはじめとする救援活動に250万ユーロ(約3億円)以上の支援金を寄付したほか、イタリアの銀行と協力し、パンデミックで打撃を受けたイタリアのファッションサプライヤーが有利な条件で迅速に融資を受けられるプログラムを立ち上げ、2億ユーロ(約263億円)を上回る融資を実施した。そのほか、若手デザイナーの支援を目的とした「グッチ デザイン フェローシップ プログラム」も新たに導入した。

 マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼最高経営責任者(CEO)は「私たちファッション業界は、人や自然を取り入れた新たな価値提案を行わなければならない。これが、人と地球の総体的な調和を目指して18年にグッチ エクリブリウムを起ち上げた理由だ。今年『グッチ』は創設100周年を迎えるが、過去1世紀を振り返りつつも、未来を見据えた活動に力を入れている。環境負荷の削減目標を4年早く達成できたことは、私たちの変革への取り組みの着実な歩みを表している。よりよい未来のために行動を起こすことは私たちの使命だ。『グッチ』の事業に関わる全てと、世界の人々、気候、そして自然にとっての真の価値を構築していきたい」とコメントした。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。