ユニリーバ(UNILEVER)が2019年に買収したスキンケアブランド「タッチャ(TATCHA)」が9月、日本に上陸する。「タッチャ」は台湾系アメリカ人のヴィッキー・ツァイ(Vicky Tsai)があぶらとり紙をはじめとする日本の芸者の美容習慣に感銘を受けて、09年に米サンフランシスコで立ち上げたブランド。椿や米など日本の原料を用いたスキンケアアイテムをそろえ、パッケージも着物の帯や茶道のなつめ(茶器)などからインスパイアされている。セフォラ(SEPHORA)ではスキンケアのトップセラーになるほど知名度があり、アメリカでJビューティ人気に火をつけた存在として知られている。
今回上陸するのはプレステージラインで、価格も税込1300〜1万5500円。沖縄の海藻、宇治の緑茶、秋田の米を2回に分けて発酵させた独自成分「HADASEI:ハダセイ-3(TM)」をほぼ全ての製品に配合しており、肌の潤い保持やバリア機能をサポートする。そのほか椿油を用いたクレンジングオイルやアコヤ真珠由来エキスを配合したクリーム、芍薬エキスを用いたアイクリームなど、日本各地の原料を取り入れ、全て日本で製造している。また酵素洗顔はお茶を立てるように筆で泡立てるなど、使い方も日本からインスパイアされている。
コンセプトは「HARMONY FROM SKIN TO SOUL(この肌と、こころに、美しい和を)」で、肌と心の調和を掲げる。スキンケアが自分との対話の時間ととらえ、肌だけでなく心の手入れまでできることをうたう。ウエルビーイングメンターには京都・両足院の住職を務める伊藤東凌氏を迎え、心と五感で楽しむスキンケアを発信する。また、ブランドの魅力を伝えるカルチャーアンバサダーにマドモアゼル・ユリアを起用した。
9月28日にECサイトをオープンするほか、同日から京都の両足院と東京・中目黒にあるHIGASHI-YAMA Studioで期間限定の体験サロン兼ショップを開催する。「タッチャは五感と心で楽しむブランドとして、まずはブランドの世界観をフルに体験できる場を提供する。その後、百貨店などの小売りでの展開を目指す」と「タッチャ」を展開するユーピーディー・ジャパンの岡本典子代表。なお、本国にある他のラインアップも順次日本に上陸させる予定だ。
ユニリーバは近年プレステージビューティに力を入れており、「タッチャ」の買収は大きな成功例とされている。今回の上陸に際し、昨年ユニリーバのプレステージブランドを担う会社としてユーピーディー・ジャパンを設立した。同社はまず、「タッチャ」の日本事業を担当する。