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高島屋・村田善郎社長×橋祐介MD本部バイヤー サステナビリティを伝え、新しい消費文化を切り拓く

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 高島屋は衣類販売とともに回収も行うプロジェクト「デパート デ ループ」を始動した。提携する日本環境設計の再生ポリエステルのアパレルなどを販売し、購入店舗で回収、再資源化もする。担当の橋祐介MD本部バイヤーが、再生素材に新たな魅力を吹き込むべく奮闘している。「循環型商品に今取り組まなければ未来はない」と村田善郎社長。「サステナビリティを消費文化として根付かせる」ことに自社の存在意義を見出す。(この記事はWWDJAPAN2021年7月19日号からの抜粋です)

WWD:6月に高島屋新宿店と大阪店で「デパート デ ループ」のポップアップストアと回収キャンペーンを開催した。反響はどうだったか。

橋祐介MD本部バイヤー(以下、橋):予想以上だった。衣料品回収のためにお客さまがわざわざ送料を払って送っていただいたり、ご年配のお客さまが山ほどの不要な衣料を、台車に乗せて持って来てくれたり。「ターク(TAAKK)」「ウジョー(UJOH)」といった国内デザイナーとのコラボTシャツは、1万円程度の値ごろなプライスで、即完売した商品もあった。

村田善郎社長(以下、村田):若い方々は環境への意識が高いというのは認識していた。意外と言ったら失礼だが、比較的年齢層の高い当社の顧客の間にも需要はあったことも分かり驚いた。初めての商品企画は、やってみてどうだったか。

橋:生産者の方のお知恵を拝借しながら、試行錯誤しつつのチャレンジだった。買い付け仕事とのスケジュールの違いにまだ戸惑いながらも、現在は来年の春夏企画に向け、取引先と膝を突き合わせて生地選定を急ピッチで進めている。

WWD:橋さんは婦人服のバイヤー一筋だった。

橋:トレンドの移り変わりの早い商品を買い付けて、売って、セールにして、アウトレットに流して。僕自身、このサイクルでいいのかと違和感を持ち始めていた。日本橋高島屋S.C.本館の「ギャラリー ル シック」の担当時は、「本質的価値」を品ぞろえのテーマに、一生添い遂げられるような、長く愛用できる商品を集めた。最先端のモノではなくても、色やデザインの組み合わせによっては、いくらでもフレッシュに提案できると気付かされた。自分がいかに“新しさ”に縛られていたのかも認識した。

村田:百貨店が提案する商品は本来、長く使っていただけるものであるべきだ。そういった意味で、循環型商品は親和性が高い。再生素材を使った服を売ったとしても、結果としてわれわれの知らないところで廃棄されてしまうのでは意味がない。売った後にきちんと回収し、循環させることが重要だ。

橋:実際にモノ作りをしてみると、デザイナーやさらにその川上にいる、糸の生産者まで顔が見える。買い付けるだけとは、お客さまに伝えられるストーリーの濃さが違う。今後は再生素材の服地としての魅力を広めるため、さまざまなブランドやデザイナーと協業し、付加価値を出していきたい。

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