毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年7月19日号からの抜粋です)
林:社長の話だけだとどうしても大所高所の話になってしまうからね。実際、この変わり目の時期に現場のスタッフがどう奮闘しているかが見えてきて、面白かった。今回登場した人たちはおそらく百貨店の10年後、20年後を担っている人たちで、改めてユニークな人材を抱えていると感じたね。
本橋:はい。若手と社長をつなぐ企画になりましたし、僕が1対1でインタビューするよりも、社長の本音やパーソナリティーが引き出せたという手応えがありました。
本橋:高島屋の橋祐介M D本部バイヤーが「循環型売り場を常設化したい」と明かしたときに、「それはやらなければならないことだ」と村田善郎社長が応じていて。橋さんの心の底にあった思いが、取材を通じて実現に近づけられたことがうれしかったです。
林:僕は百貨店の最大の強みは、お客さんとのつながりだと感じた。百貨店のお客さんのロイヤルティーの高さといったら他の小売業やE Cモールがうらやむほどだと思う。その財産にどうデジタルを活用するかがカギ。三越伊勢丹H Dは外商とバイヤーの融合の話だったが、顧客に販売員だけでなく、バイヤーまでつなげていこうという流れはすごく象徴的だと思った。EC企業ではできないことだし、外商以外の人もそういう動きをするようになると可能性が広がると感じた。
本橋:僕もデジタル化の先に何があるのか、巨大ECモールとどう戦うのかと思っていたのですが、決め手はやはり“人”なんだなと。
林:緊急事態宣言で休業を余儀なくされ、明らかに割を食っている中で、今まで以上に危機感が強いし、「百貨店とは何だろう」と向き合っている。そんな中で本質が見えてきているようだね。
本橋:そう思います。今後も盛り上げていきたいです!