ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、注目を集めるリップカテゴリーと日本で進出が活発な中国コスメの話。(この記事はWWDJAPAN7月19日号からの抜粋です)
■賢者が選んだ注目ニュース
マスクの着用義務が解除された米国、リップの検索数が前年比1000%増
宮脇咲良が中国コスメ「フラワーノーズ」のアジアブランド大使に就任
コロナ禍のマスク着用生活により、化粧品市場ではリップやファンデーションの売れ行きがふるわなかった。そんな中での、米国の一部の州でワクチン接種完了者のマスク着用義務が解除されたことを受けてリップスティックやリップアイテムへの注目が高まっているニュース。ワクチンの接種が進んでいるアメリカやイギリスが今どのような回復を見せているか、何がトレンドになっているのかなど状況を把握することは、日本の未来の動向が見えてくるためとても重要だ。
そもそもアフターコロナの日常では、リモートも定着し働き方も大きく変化したため、リップやファンデーションの売り上げはそこまで回復しないのではないかと予測していた。しかしワクチンが先行接種されて日常が戻りつつあるアメリカでは、企業の半数以上が「週の3、4日はオフィスワークに戻したい」といった、“行き過ぎたリモートワーク”から脱却する動きも出ている。以前ほどではなくても人と会う機会が増加することにより、リップなどコスメでメイクアップをしようと女性が意識し始め、リップアイテムへの注目が高まったのではないか。そして日本でもワクチンが広がった後には、アメリカ同様にリップやファンデーションに興味を持つ人が増え始め、メーカーが予想する以上に売れ始めることを示唆しているだろう。
イギリスの調査会社によると、多くの人が免疫を持ちコロナに感染しにくくなる「集団免疫」の獲得は、アメリカが今年の秋、日本は来年4月、そして中国は来年秋だと予測されている。予測通りワクチン接種が進めば、国内でマスクを外せる生活が送れるようになるのは日本では来春。ここでリップの需要もさらに増えていくと考えられ、メーカーは来春に向けてリップの調整を仕掛けていくのもいいのではないか。
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