ファッション

“100%土に還る服”のシンクスドットデザインが定額レンタルサービス開始

 デザイン会社のシンクスドットデザイン(SYNCS.DESIGN)は、2020年に“100%土に還る服”として販売したTシャツ2型の定額レンタルサービス「シンクス.アース」を開始した。着古したTシャツを同社の農園に埋め立てて土に還す循環型ファッションの取り組みだ。

 アイテムは、和紙素材とオーガニックコットン素材のTシャツ2型でサイズはS〜Lをそろえる。利用者はTシャツ1枚につき月額980円を支払う。最低4ヶ月の着用期間以降は、好きな時に返却し、新しいものと交換できる。1着についての課金期間は最大1年間。

 回収したTシャツは、同社で選別を行い、まだ着られるものは染め直しなどの修繕を施して再びレンタルする。着古されたものは同社で管理する農園に埋め立てる。実証テストでは、和紙素材は約3ヶ月で、オーガニックコットンは約6ヶ月で完全に土に還る結果が出た。埋め立てることで微生物が増え、土壌改善につながるメリットもあるという。

 シンクスドットデザインは、20年にクラウドファンディング「マクアケ(MAKUAKE)」で100%和紙糸を使ったTシャツとマスクを販売した。澤柳直志代表取締役兼デザイナーは、シャツやトレンチコートなどの製作も試みたが、マスに広がる価格に抑えられず、今回のサブスクサービスへの切り替えを決めた。澤柳代表は「販売後も責任を持てる方法がないかと考えた。同サービスを通して買って捨てる従来の消費に対する意識を変えるきっかけを提供したい」と話す。

 今後は、ホテルなど対事業者へのサービス訴求も狙う。さらに、“100%土に還ること”を条件に、アイテムのバリエーションを拡充するほか、商品を長く着てもらうため、利用月ごとにポイントを付与し、農園で育った野菜やほかのアイテムとポイントを交換できる制度の導入も検討する。加えて、同社のコミュニティ事業と連携し、サービス利用者自身がTシャツを埋め立て、農園で野菜を育てる体験なども提供していく予定だ。

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