ビューティ

ヘアメンテナンスサロン「チョキペタ」が10周年 “休眠美容師”52%で美容室業界のサステナに貢献

 美容室チェーンを300店舗以上展開するアルテ サロン ホールディングスの傘下であるC&Pは、美容室「チョキペタ(CHOKI PETA)」をオープンしてから10周年を迎えた。当初から取り組む“休眠美容師”の復帰支援は、スタッフの約52%を占めるまでとなった。人材不足に悩む美容室業界の好例として注目を集めている。

 「チョキペタ」は、伸びた分だけカットやカラーをしてきれいな状態をキープするという“ヘアメンテナンス”のサービスに特化することで、予約不要・手頃な料金・短時間での施術を可能にした美容室。頻繁に通いやすいことから、主に40代以上の女性に支持されている。2011年に第1号店として堀切菖蒲園店をオープンし、首都圏と一部関西に出店を進め、現在店舗数は66店舗(21年5月末時点)になった。

 同美容室がオープン当初から続けてきたのが“休眠美容師”の復帰支援。結婚や育児などのタイミングで現場から離れてしまった美容師が再び働くことができるよう、教育制度や雇用制度の環境を整備し、業界の課題である人材不足を解消しながら店舗数を拡大してきた。10年間で採用した休眠美容師の数は300人以上に上り、現在はスタッフの約半数を占める。

 19年度末時点での従業美容師数が約54万人(令和元年 衛生行政報告例 概況)であるのに対し、美容師免許の登録者数は累計で130万人は超えると予想される(理容師美容師試験研修センター 新規免許登録件数より)ことから、休眠美容師の数は75万人程度。働く可能性が低い人を加味しても50万人程度と推定される。美容師の平均年齢は31歳(厚生労働省 19年の賃金構造基本統計調査)であることから、美容師になっても10年足らずで現役を離れてしまう人が多くいる。

 休眠美容師の復帰のハードルを高くしているのは、ブランクにより生じる技術への不安。同美容室では、施術メニューをカットとカラーに絞り、流行の移り変わりに左右されないベーシックな技術で対応可能な髪の“メンテナンス”に特化することで、技術的なハードルを下げた。ブランクがあっても一定のトレーニングを行い復帰しやすい環境を整えている。さらに“週1日3時間~”など、ライフスタイルに合わせた働き方を実現。美容室が混雑しやすい土日に働くことができない人のため、平日のみの勤務も可能にしている。

 また、以前から取り組んでいた動画での情報共有がコロナ禍でより日常化し、20年から21年にかけて動画本数は(C&Pで)約470本から850本と約2倍に増加。技術や店舗オペレーションなどを動画で学べる環境にし、復帰時の不安を解消、早期の戦力化に成功した。

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