2021年度「メットガラ(MET GALA)」がニューヨークのメトロポリタン美術館で(Metropolitan Museum)9月13日(現地時間)に開催された。「メットガラ」は同美術館で行われるファッション展覧会のオープニングを飾るイベントで、1995年から催されているがコロナ禍により2020年は中止したため、19年5月以来の開催となる。
9月18日から同美術館でスタートする展示会のテーマ“イン・アメリカ:ア・レキシコン・オブ・ファッション(In America: A Lexicon of Fashion)”にちなみ、「メットガラ」のドレスコードは「アメリカの独立(American Independence)」だ。多くのセレブリティーが華やかなレッドカーペットファッションを披露することで“ファッションの祭典”とも称される同イベントの来場者のファッションを着用ブランドとともに紹介する。
共同ホストのビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)は、「オスカー デ ラ レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」のペールピンクのチュールドレスに、13個の「カルティエ(CARTIER)」のジュエリーを合わせた。ビリーが「ヴォーグ(VOGUE)」5月号表紙で披露して以来継続しているオールドハリウッド的スタイルだ。
ラッパーのリル・ナズ・X(Lil Nas X)は、レッドカーペットの上で3回も衣装チェンジ。登場時に着用していたゴールドのマントを脱ぎ、騎士のような黄金の甲冑を披露。さらに、クリスタルが輝く全身ボディースーツにチェンジした。3つのルックは全て「ヴェルサーチェ(VERSACE)」が手掛けた。
BLACKPINKのROSEは、自身がアンバサダーを務める「サンローラン(SAINT LAURENT)」の21-22年秋冬コレクションから、大振りのリボンがアクセントになったブラックのミニドレスで登場。同ブランドのアンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)=クリエイティブ・ディレクターが連れ添った。
キム・カーダシアン(Kim Kardasian)は離婚申請中のカニエ・ウェスト(Kanye West)が「バレンシアガ(BALENCIAGA)」と共同でデザインした全身を黒で覆ったルックで登場した。リアーナ(Rihanna)も「バレンシアガ」を着用して交際中のエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)と来場。エイサップ・ロッキーはカニエのMVを監督するなどの経歴があるデザイナー、イーライ・ラッセル・リネッツ(Eli Russell Linnetz)が手掛けるカリフォルニア発の気鋭ブランド「ERL」のキルトガウンで登場し、後にスーツに衣装チェンジした。
共同ホストのティモシー・シャラメ(Timothee Chalamet)は、「“チャックテイラー”ほどアメリカらしいものはないよ」と、「コンバース(CONVERSE)」に「ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)」を合わせた。詩人のアマンダ・ゴーマン(Amanda Gorman)は自由の女神に着想を得たという「ヴェラ・ウォン(VERA WANG)」のドレスを着用。テニスの大坂なおみ選手は自身のルーツであるハイチと日本のエッセンスを取り入れた「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のカスタムドレスを着用した。
アマンダ・ゴーマンや大坂なおみ選手といったさまざまな業界から集まったメンバーが共同ホストを務めた今回の「メットガラ」は、より多様な業界の有力人物を招待した。AOCことアレクサンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio Cortez)下院議員は“Eat the Rich”ならぬ“Tax the Rich(金持ちに税を負担させよ)”というメッセージがのったドレスを着用。ドレスはファッションデザイナーでアクティビストでもあるオーロラ・ジェームズ(Aurora James)が手掛けた。そのほか体操のシモーネ・バイルズ(Simone Biles)選手や陸上のアリソン・フェリックス(Allyson Felix)選手も来場した。