ファッション

「フミエ タナカ」は60年代にタイムスリップ!? コミカルな映像作品をロンドンコレで発表

 田中文江によるブランド「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」は、ロンドン・ファッション・ウイーク(LFW)に参加し、2022年春夏コレクションを映像形式で発表した。LFW参加2度目となる今回も「東京ファッションアワード 2020(TOKYO FASHION AWARD 2020)」受賞による特典で、「フミエ タナカ」以外の受賞5ブランドもLFWの公式サイトで映像を公開した。

“自分が輝くことで、
周りの人たちも明るくしたい”

 今季のテーマは“BUT PRISM(それでも輝く)”。動画では1960年代のサロンショーをイメージし、ボリューミーなつけまつげが印象的なモデルたちが番号プレートを持って登場。ただウオーキングをするだけではなく、モデルたちがカメラを覗き込んだり、電話で話をする姿を映したりと、ウィットの効いた演出もポイントだ。田中デザイナーは「コロナ禍を過ごし、ファッションの役割を考えていた。“自分が輝くことで、周りの人たちも明るくする”というポジティブなメッセージを込めたかった」と話す。

 服も60年代のファッションを「フミエ タナカ」らしく現在風にアレンジ。田中デザイナーによる手描きのプリントや、ビンテージのパッチワーク柄などのオリジナルテキスタイルを用いている。カットジャカードで表現したファーのような素材は、羽根のように膨らんだトップスとスカートのセットアップに。1着1着に主役級の華やかさがありながらも、現代のリアルクローズとして提案している。

40人のエキストラが着用するのは
過去コレクションとデザイナー私物

 実は、映像にエキストラとして映り込むショーの観客もプロのモデルたちだ。衣装は過去のコレクションや、田中デザイナーの私物を組み合わせたもの。中には、2020-21年秋冬のみに登場したメンズのレアなコレクションも見られる。これまでのシーズン同様に、田中本人がスタイリストとしてコーディネートを組んでいる。「昔のような映像なのに、最新のコレクションが見られて、ブランドのファンの方には『あの服持っている!』というように混乱が生まれそうな仕掛け」と田中デザイナーは笑う。ブランドの世界観を作る細部までのこだわりと、手作り感の暖かさのバランスがいい。BGMは21年春夏に引き続き、音楽家の黒瀧節也がオリジナルで制作した。

 動画内で公開したのは今季を象徴するキールックの10体。後日開催する展示会ではフルコレクションを披露する予定だ。

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