サステナビリティなモノづくりとビジネスへシフトしたい、でも何から始めてよいかわからない。本連載はそんな迷えるアパレルの指針となるべく、サステナビリティ・シフトを進める先行企業の実践例や、最近シフトを始めて試行錯誤する企業の声や課題を集めた。これを読めば“できることから”の答は、今までやってきたことの中にあることがわかるだろう。第1回はデザイナーズブランド「ニアーニッポン(NEAR.NIPPON)」から。
深山拓也がデザインする「ニアーニッポン(NEAR.NIPPON)」は、2022年春夏からサステナブルな活動を可視化し発信する。きっかけは今年2月に、深山がパタンナーの上島朋子とともにSDGsセミナーに参加したことだ。「サステナビリティは大事だが、踏み出すにはハードルが高そう、製造業と矛盾がありそう、と思っていた。セミナーで “やれることからでいい”と聞き、ならばやってきたことの中にも当てはまることがあると気がついた」と深山は振り返る。それら“やってきたこと”に新しいサステナブルな取り組みを加えて10項目に整理し、それぞれマークを作り、春夏から全商品の値札へ記載する。生地は「BCI」「GRS」「OCS」など認証取得素材を多く選択している。
注目は“やってきたこと”の内容だ。大きくは、①無駄な生地を買わない(そもそも受注生産なので無駄な生地はほぼ出ない)、②ミニマムオーダー設定がある生地は数点に絞り、核となるアイテムにリスクを張る(どうしても余剰生地が出るから)、③無駄な残布、切れ端が出ないパターン設計、だ。
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