ビューティ

カラーズから新ブランド「サウザンドカラーズ」デビュー 「ザ パブリック オーガニック」「トバリ」の知見を生かす

 東京発のオーガニック・ナチュラルコスメメーカーのカラーズは11月4日、同社初の社名を冠した新ブランド「サウザンドカラーズ(THOUSAND COLOURS)」を立ち上げる。デビュー時はオードパルファン13種(各25mL・各税込9350円、各100mL・各税込1万7600円)とディフューザー8種(各150mL・各税込1万8150円、うち4種はオードパルファンと同じ香り、各150mL・各税込1万3750円)をラインアップ。デビューに先駆け、10月27日に伊勢丹新宿本店で開催するフレグランスの祭典「イセタン サロン ド パルファン」と三越伊勢丹の化粧品EC「ミーコ(MEECO)」、公式オンラインストアで先行発売する。

 同ブランドは、カラーズが手掛ける精油の機能に着目した「ザ パブリック オーガニック(THE PUBLIC ORGANIC)」の知見を生かし、橋本宗樹カラーズ社長が社長を兼務するTOBALIのフレグランスブランド「トバリ(TOBALI)」のDNAを引き継ぐ形で誕生。カラーズによる新ブランドは「ザ パブリック オーガニック」の誕生以来、5年ぶり。なお、「トバリ」は11月3日にブランドを終了し、公式オンラインストアでは在庫がなくなり次第、販売終了となる。「サウザンドカラーズ」は、「トバリ」を展開する伊勢丹新宿本店やエストネーション、トゥモローランドなど約40店舗との取り扱いを引き継ぎ、販売する。

 カラーズは昨年創業20周年を迎え、環境や社会問題に取り組むプロジェクト“カラーズ ネクスト 20”をスタートした。発表から1年経過し、これまで精油レシピの公開やカーボンオフセットへの参加、国産植物原料の優先使用、児童養護施設やひとり親世代への寄付など成果を上げている。これらは2040年を指標にしたプロジェクトだが、「サウザンドカラーズ」はアプローチ方法を変え、“1000年の視点”をイメージするという。

 橋本社長は、「我々は、1000年先も変わらない価値を見出すことが使命だと考える。これまで1000年の間、世界人口は約20倍に増加し、地球温暖化の危機にさらされながら、予測不可能なまでに現代文明の進化を遂げてきた。現代においては、インターネットやSNSの普及に伴い人々の寛容性が失われつつあり、今もなお、貧困や差別、パンデミックといった不安定な情勢の渦中にある」と分析。それらを打破するためには、「先人たちが希望を抱き、険しい道を切り開いてきたように、一人一人が希望を持つことが何よりも大切だ。私たちが生きる現実を1000年の視点で俯瞰したとき、困難を乗り越えながら誰もが平等で隣人を思いやる時代があったように、明るくポジティブで、色鮮やかな世界であってほしいからだ。そこで『サウザンドカラーズ』を通じて、『1000年先の未来へ。あなたはいくつ、希望を生み出せるか。』と問いかけながら、人々の心に“希望の種”を植えたい。未来に向けて原動力になるように、カラーズを象徴するブランドに育成する」と話す。

 それら希望を多角的に届けるべく「サウザンドカラーズ」は、視覚・聴覚・嗅覚のプリミティブ(根源的)な感性を応用。視覚ではビジュアルに「真実を映し出す」報道写真を採用し、聴覚では心に響くメッセージ発信、嗅覚においては、“希望”を生み出す香りで本能に直接訴えかける。

 オードパルファンとディフューザーは3つのシリーズで構成。精油と合成香料を掛け合わせた“メタモルフォーゼ(METAMORPHOSE)”と合成香料100%の“エクスペリエンス(EXPERIENCE)”、精油100%の“アクティベート(ACTIVATE)”シリーズはディフューザー4種のみを展開する。

 “メタモルフォーゼ”は、希望にあふれる偉人に変身する香りをイメージ。マイクロRNAの発現に着目し、蜜蜂分泌成分のエレメントMを配合。ブランドを代表する“M2021 ユー アー ホープ オードパルファン”は、同シリーズの中で精油の配合比率が最も高く、アイリスやバイオレット、ムスクなどを配合したフローラルな香りが特徴だ。“エクスペリエンス”は、記憶の扉を開き、時空を超えて希望あふれる場所を経験する香りをイメージ。記憶の回路の扉を開ける酵母発酵エキスのエレメントEを配合する。“アクティベート”は、嗅覚生理学に基づき調合された精油の力で、心身から希望あふれるコンディションに導く香りをイメージ。オリゴペプチド-41とビオチノイルトリペプチド-1の成分エレメントAを配合する。製品名はシリーズの頭文字とともに、それぞれの香りをイメージした年代で名付けている。

 また、環境に配慮した持続可能なもの作りとして、既存にあるものを再利用しながら新たな価値を提供する。ボトルは既存の金型を採用し、リサイクルガラスを30%以上使用。化粧箱も既存型で作り、リサイクル率の高いダンボール素材を採用した。緩衝材は新聞紙と同じ紙を使用し、プラスチックや資源ごみの削減を目指す。さらに、公式オンラインストア限定で、購入代金の5%を希望の活動に寄付や支援ができる独自のプログラムをスタート。支援先は、次世代の子どもたちに希望を届ける「みらいこども財団」、CO2を減らし緑を守る「ブルードットグリーン」、LGBTなど多様性を包摂する社会作りを目指す「ReBit」。

 今後は、小売店をはじめ、メディアや原料メーカーなど、同ブランドに賛同する全ての人と対等なパートナーシップを結び、順次カテゴリーを広げていくという。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。