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連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第43回

美容師個人ではなく企業だからこそ取り組めること

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 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、美容室の集客と企業としてのサステナビリティとの向き合い方の話。

【賢者が選んだ注目ニュース】
美容師とユーザーを結ぶCtoCマッチングアプリ「ヘアリー」が誕生
「ネイルズインク」から73%植物由来のビーガンネイルが登場

 多くの美容室は自社HPや集客媒体などを駆使して、試行錯誤しながら集客している。2014年に美容師を直接予約することができるサービス「ミニモ」が誕生したが、今回の「ヘアリー」に関しては“CtoC”という部分に新しさを感じ、好みやスキルにおいて美容師とお客さまのさらなるマッチングを目指すことができる集客媒体なのではと注目している。

悩み・ニーズの細分化によって
求められる美容師個人のアピール力

 美容室の集客には大きく分けて、美容室として集客する場合と所属する美容師が個人で集客する場合の2通りがある。当社が展開する美容室「アッシュ」は地域一番店として駅近くに出店し、美容室としてのブランディングで集客しているが、ここ4~5年ヘアサロン業界では個人での集客にウエートが傾くようになった。その背景には「この悩みを解決したい」というお客さまのニーズが細分化されて、美容師個人がそのニーズや悩みに応える技術力を持っているとアピールすることが大切になったことや、お客さまの親密軸が変化(来店して施術に満足したら信頼するという流れから、SNSやネット上の情報を見てまず信頼して来店する)したことが挙げられる。インスタグラムなどのSNSでもニーズや悩みを的確に掘り起こすことで集客につなげている美容師が増えた。究極的には美容師は師業であり、個性や趣味、嗜好がお客さまとマッチすれば美容師として自分の価値を高めていけるはずだ。

 その一方で、個人で集客できる美容師は少なく、なかなか信用度が上がらないという課題がある。CtoCの一番の懸念点は「本当に利用して大丈夫なのか」という不安感があることだろう。お客さまが懸念するこの部分を企業や大きな組織がバックアップして補償などをすることが重要だ。そういう意味で「ヘアリー」のようなマッチングサイトを作って利用させる戦略は今後もなくならないし、美容師のためにも絶対に必要なことだと考える。

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