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J. フロント、リベンジ消費に手応え 22年2月期は最終黒字予想

 J.フロント リテイリングの2021年3〜8月期(国際会計基準)は、総額売上高(一般的な小売業の売上高に相当)が前年同期比25.4%増の4021億円、営業損益が13億円の赤字(前年同期は206億円の赤字)、純損益が28億円の赤字(同163億円の赤字)だった。

 主力の百貨店事業の総額売上高は前年同期比27.7 %増の2476億円。新型コロナウィルスの再拡大で店舗休業や入店制限を余儀なくされたものの、前年と比較すれば業績は回復した。心斎橋パルコの開業(20年11月)で相互送客のシナジーが生まれた大丸心斎橋店は、売上高が同55.6%増の227億円と大きく伸びており、「若い男女の入店が非常に増えている」(好本達也社長)。そのほかの大型店も松坂屋名古屋店が34.9%増、大丸神戸店が28.6%増だった。
 
22年2月期通期連結業績は、総額売上高が前年同期比19.8%増の9220億円、営業損益が55億円の黒字(前期は242億円の赤字)、純損益が10億円の黒字(前期は同286億円の赤字)を予想する。期初からは下方修正したものの、利益面では黒字確保の予想を維持する。足元では緊急事態宣言が解除されて以降、10月1〜10日の期間ではグループ売上高が前年同期比15%増。好本達也社長は「リベンジ消費に確かな手応えを感じている。ようやく安定的な成長を描けるフェーズに入ってきた」と話す。

 4月に発表した中期経営計画では、24年2月期で営業利益403億円、ROE(自己資本比率)7%を掲げた。免税売り上げは「数年はコロナ禍以前のような水準に戻らないだろう」とし、百貨店事業の復調と不動産開発・運営でカバーすることで目標達成を見込む。既存店舗の再開発も推進。松坂屋名古屋店は大丸心斎橋店をモデルケースに、百貨店と専門店のハイブリッド型店舗へのリニューアルを計画する。

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