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ヘミングウェイにミック・ジャガー 有名人の2世、3世を集めて夢のバンドを結成!?
「トッズ(TOD’S)」のクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドラ・ファッキネッティの父親はイタリアの国民的バンド、イ・プーのロビー・ファッキネッティ。そんなファッキネッティは今シーズン、2世アーティストの女性たち10人を集めて架空の“トッズ・バンド”を結成する設定でコレクションを発表した。
ショー会場の入り口には、有名人の父や母、祖父に持つ女性やモデルのポートレートを並べてゲストを迎えた。アーネスト・ヘミングウェイのひ孫のラングレー・フォックス・ヘミングウェイ、スティーブン・タイラーの娘であるチェルシー・タイラー、ミック・ジャガーの長女のリジー・ジャガーなどなど。いずれも自身もアーティストやモデルとして第一線で活躍している個性的な女性たちだ。彼女たちを撮ったのもまた、有名写真家を父に持つソニア・シーフだ。
レコードの形をしたインビテーションに始まり、服やアクセサリーにも音楽の要素がたくさん取り入れられている。ピンストライプのハイウエストパンツとスタッズをアクセントにしたバイカラーのジャケット、前面にはギター柄を、上腕には星柄のレザーを配したバイカージャケット、レコード盤プリントのシルクブラウスなど。
バッグのストラップはギターのストラップ風で斜めがけ。アイコンシューズの“ゴンミーニ”も、アッパーに星型のレザーやスタッズ、ギターの飾りを縫い付けていつもよりロックにアレンジした。ジップアップブルゾンなどに用いたモノトーンの花柄は、よく見れば花びらの中に人間の手が描かれていたりと、ちょっぴりシュールな一面も見られる。
白シャツにテーパードパンツにレザーのバイカージャケット。ファッキネッティは2014年春夏シーズンのデビュー以来、トレンドに左右されないスタンダードなアイテムの幅を少しずつ広げ「トッズ」のワードローブを増やしてきた。今季は、いつも以上にテーマ設定がはっきりしているが、だからと言ってデザインの方向性が変わった訳ではない。アイテムひとつひとつはあくまでスタンダードである。スタンダードなアイテムは、着る人のセンスや個性が如実に出るもの。個性が強く、雰囲気のある女性をモデルに起用したことで服に“色”が加わり、躍動感あるショーへとつなげることに成功した。