ティファニーブルーからエルメスオレンジ、ルブタンレッドまで、多くの伝統的なファッションブランドはブランドを表すカラーを築いてきた。10日に急遽退任した、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」のダニエル・リー(Daniel Lee)=元クリエイティブ・ディレクターもまた、“ボッテガグリーン”を確立させた。
“ボッテガグリーン”は、パキッとした明るいグリーンで、青々とした芝生をイメージする「グラスグリーン」とも呼ばれる。定番のグリーンでありながら、一気にコーデが華やかになるカラーだ。ストリートスナップやファッションインフルエンサーの間でもよく見られるようになり、2021年の一番ホットなトレンドカラーとして注目を浴びる。
“ボッテガグリーン”の立役者のリーは、2019年に「ボッテガ・ヴェネタ」のデザイナーに就任し、ランウエイデビュー。この3年間の間に「ボッテガ・ヴェネタ」に新鮮さを吹き込んで多くのヒットアイテムを生み出してきた。中でも、“ボッテガグリーン”は同氏がブランドにもたらした最も印象的なスタイルの1つだ。
このカラーが業界に“ボッテガグリーン”として知られるようになったきっかけは20年12月に発表した2021年春夏コレクション。その際リーは、会場を“ボッテガグリーン”で照らし、ツイードのスカートスーツやミュール、ハンドバックなどを同色でまとめたルックを披露した。
ほかにもビビットで大胆な色使いは取り入れているが、パンデミックの中、活気と遊び心あふれる“ボッテガグリーン”が多くの業界人やファッショニスタの心を掴んだという。21年のトレンドカラーにはさまざまなグリーンカラーが入っているが、これらもまた、多くの人が楽しいこと・心が気持ちよくなるものを求めていると分析されている。
10月25日に発表した“サロン03(SALON 03)”コレクション(22年春夏コレクションに相当)でも、”ボッテガグリーン“をふんだんに使った。アパレルアイテムやアクセサリーに部分的に取り入れたものから、全身を同色で飾ったもの、他のグリーンの色調と合わせたルックなどを発表した。靴箱や包装にも同色が使われるようになり、ブランドを象徴する色として定着した。