エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、2021年度の“社会的な影響とサステナビリティに関するリポート(Social Impact and Sustainability Report)”を発表した。エネルギー調達やパッケージングなどの環境保護に関連する課題のほか、多様性や包括性などにおける目標の達成度や新たな目標値についてまとめられている。
同リポートによれば、同社の従業員の82%が女性であるほか、グローバルでのバイス・プレジデント以上の役職の55%を、取締役会の44%を女性が占めている。また、米国内の従業員の46%が有色人種となっている。同社は新たな目標として、23年までに男女の賃金平等を実現することなどを設定した。
環境問題の分野では、オクラホマ州の風力発電所と電力購入契約を締結。北米の全事業で使用するエネルギーをこれでまかなえるという。パッケージングに関しては、消費者が製品を使用した後に回収された材料を使うという当初の目標は達成し、25年末までにこれを25%以上にする。また、30年までに未使用プラスチック(再生素材ではないプラスチック)の使用を50%以下にすることを目標に掲げた。
調達面では、シア油脂(シアバターやシアオイルなど)に関するサステナビリティや倫理的利用を推進する非営利団体、グローバル・シア・アライアンス(Global Shea Alliance)に加盟した。慈善活動としては、女性の権利向上を支援する複数の団体に寄付をしたことがリポートに記されている。
ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)ELC社長兼最高経営責任者は、「社会的に影響のある事柄やサステナビリティ戦略に注力することは、当社の長期的な価値をさらに高め、プレステージビューティ業界のグローバルリーダーであり続けるために重要なことだ」と語った。