ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)が、がんのため急逝した。41歳だった。ヴァージルは自身のブランド「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」の創業者であり、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のメンズ・アーティスティック・デザイナーだった。彼はここ数年、がんと戦っていたという。
「ルイ・ヴィトン」の親会社LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は11月28日、「家族によると、ヴァージルが米テキサス州の病院で亡くなった」との声明を発表した。LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「皆、このニュースにショックを受けている。彼は偉大なデザイナーだったのみならず、ビジョンを持ち、美しい魂と幅広い知識を有していた。皆、悲しんでいる。彼を失い悲しんでいる家族や友人、パートナーのことを思わずにはいられない」と話している。
ヴァージルの家族は、インスタグラムにメッセージを投稿。「彼の死を伝えなければならないなんて、本当に悲しい。彼は、妻のシャノン・アブロー(Shannon Abloh)、子どものロウ(Lowe)とグレー(Grey)のためにも、必死に生きようとした」としている。
ヴァージルは、マイアミで2022年春夏コレクションを発表する予定の直前だった。10くらいの新作もお披露目予定だったという。イベントを開催するか否かについては、明らかになっていない。マイアミには、メンズに特化した「ルイ・ヴィトン」のブティックがオープン予定だった。
「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」の親会社ニューガーズ・グループ(NEW GUARDS GROUP)のダヴィデ・ドゥ・ジーリオ会長兼CEOと、ブランドのアンドレア・グリッリ(Andrea Grilli)CEOは共同声明で「ヴァージルは天才であり、家族を愛する優しい人物だった。言葉が見つからない。伝説であり、彼の愛と魂は、永遠に私たちと共にある。私たちの生活を変えてくれて、ありがとう。ゆっくり休んでほしい」とした。
ヴァージルは2013年、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」を設立。18年3月に「ルイ・ヴィトン」に加わり、メゾン初の黒人デザイナーとして、その歴史に新たな1ページを加えた。19年には医者の勧めで休養したが、病名は明かさず、数カ月でカムバックした。21年、LVMHは「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー」を手掛けるオフ-ホワイトLLC社の株式60%を取得していた。