「エコペル(ECOPEL)」とPETA(国際動物愛護団体)はこのほど、バッキンガム宮殿の大きな帽子の衛兵でおなじみ、クイーンズガードのキャップに用いる素材が「エコペル」製に代わることを発表した。これまでキャップにはリアルなベアファーが用いられていたが、今後全てのキャップが「エコペル」の人工ファーに代わる。「エコペル」は2030年までイギリス防衛省(MOD)に素材を無償で提供する予定だ。
「エコペル」はリアルベアファーに近い風合いで100%防水する人工ファーの開発に成功し、MODの認定テストでもその素材の性能は立証されたという。
国際動物愛護団体のPETAのイングリッド・ニューカーク(Ingrid Newkirk)創設者は、「この21世紀のキャップを見るのを楽しみにしている。これは2年前にファーフリーを宣言された女王陛下と動物を愛する英国人の価値観を反映しているものだ」とコメントを発表している。
英国で毛皮の採取が禁止されてから約20年が経ち、かねてから毛皮の輸入販売に関して議論が巻き起こっていた。さらにEU離脱後に毛皮の輸入禁止を想定し、高品質の人工ファーを探していたいう。そこでエコペル社の技術と出合ったという。また、PETAは動物愛護という倫理的な見地以外に、過去7年間だけでも891個のベアスキンキャップに100万ポンド(約1億5100万円)を超える税金が費やされたことを明示していた。
「エコペル」はラグジュアリーブランドからグローバルSPAまで多くの有力ブランドを顧客に持つ高級人工ファーブランドで日本では八木通商がエコペルジャパン(ECOPEL JAPAN CORPORATION)を運営する。