三越伊勢丹、阪急阪神百貨店など6社は、ファッションブランドやクリエーターと協業し、廃棄された「リーバイス(LEVI’S)」の“501”ジーンズをリメイク販売する「デニム de ミライ」プロジェクトを来年3月23日にスタートする。
プロジェクトは、東京・足立区で小さなプレス工場(アパレル製品の仕上げや検品などを行う)を営むヤマサワプレスの山澤亮治社長が2019年夏、米ロサンゼルスの市場に捨てられた約20トンの“501”ジーンズを、「後先顧みず」(山澤社長)引き取ったことに端を発する。この取り組みに三越伊勢丹と阪急阪神百貨店が共鳴し、輪を広げてきた。
井野将之の「ダブレット(DOUBLET)」、落合宏理の「ファセッタズム(FACETASM)」森永邦彦の「アンリアレイジ(ANREALAGE)」など国内有力ブランドだけでなく、「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI」)「ゴールデングース(GOLDEN GOOSE)」など海外ブランドも含めて約50ブランド・クリエーターが参画。このほど開かれた展示会で、リメイク商品第1弾として150型以上におよぶ商品サンプルが披露された。
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ジーンズはヤマサワプレスの工場での検品補修・洗浄を経てクリエイターの下へ送られ、新たな命を吹き込まれる。リメイク商品は三越伊勢丹、阪急阪神百貨店が運営する店舗のほか、岩田屋三越の岩田屋本店、エスティーカンパニー(群馬・桐生市)やミッドウエスト(名古屋市)、佐藤繊維(山形・寒河江市)が運営するセレクトショップでも販売する。
山澤氏とともにプロジェクトを主導してきてきた三越伊勢丹の神谷将太・伊勢丹新宿本店「リ・スタイル」バイヤーは、「工場で見た廃棄ジーンズの塊がデザイナーの手で生まれ変わるのを目の当たりにし、このプロジェクトが『ビジネス』として成り立つという実感が湧いてきた」と話す。「サステナビリティという大義が根底にはあるものの、それを押し付けがましい形ではなく、お客さまの気持ちが高揚するようなファッションアイテムとして届けていけたらいい」と話す。