エストネーション(ESTNATION)のウィメンズ2022年春夏は、21-22年秋冬のベーシックの提案から一転、肌見せやスポーティーをキーワードにお出かけシーンを想定した華やかなアイテムを打ち出す。「9〜12月上旬の売り上げは前年比30%増、コロナ禍前の一昨年同期比でも5%増と好調に推移している。昨年売れ筋だったジュエリーや雑貨に代わって、服が売れるようになってきた。長らく続いた我慢や自粛ムードの反動が来ているようだ。女性らしく華やかで主張のある提案が強みのブランドの役割を再認識し、ファッションを謳歌したいという気持ちに応えたい」と藤井かんなウィメンズ・ディレクター。
打ち出しのキーワードは「NEW SENSUAL&MINIMAL」。シャリ感のある透けアイテムやクロップド丈のトップス、エッジの効いたカットアウトトップスなどをそろえ、健康的な大人の肌見せを提案する。ボトムスは、秋冬から人気のミニスカートやショートパンツのほか、丈の短いトップスともバランスを取りやすいハイウエストのスカートなどのバリエーションをそろえる。
ジャケットはワンショルダーのタンクトップやボディスーツなどと合わせ、アクティブな要素を加えた新しいワークスタイルとして提案する。「アンスクリア(INSCRIRE)」や「ウォルフォード(WOLFORD)」のボディースーツやカップ付きのタンクトップなどのインナー類を強化した。藤井ディレクターは、「きちんと見えるジレやケープは引き続き人気があるが、素材が変化している。これまでジョーゼットやトリアセテートなどの落ち感がある素材を採用していたアイテムも、ハイブリット系のキックバックが強いアクティブな素材に切り替えた」という。
カラーは、オレンジやブルー、イエロー系などをキーに、ブラックやブラウンなどと組み合わせてコントラストを効かせたり、シューズやバッグで差し色として取り入れてもらう。ポジティブな雰囲気のオプティカル調やサイケデリック、アートのプリントアイテムも強化した。
今秋冬の店頭では、「ザ・ロウ(THE ROW)」「ロエベ(LOEWE)」「マックスマーラ(MAX MARA)」などが好調で、「コロナ禍を経て値段が高くても長く着られる良いものを手に入れたいというマインドセットが顧客の間で定着したようだ」と藤井ディレクター。そんな顧客の思いに応えるため、オリジナル商品のプレシャスラインでは、厳選した素材を用いて丁寧な縫製で仕上げたトレンチコートやジャケットやジレなど高品質な定番品を拡充した。
MDは、引き続き仕入れの総量を抑え、センタープレスのロングパンツやテーラードジャケットのセットアップなど定番品はサステナブルな素材に切り替えたり、ディテールに改良を加えたりして完成度を上げることを意識している。藤井ディレクター「それぞれの商品の役割を明確にし、似たようなものを作らないなど、2年間かけて精査を続けることで手応えを感じている」と話す。