ワールドは13日、持分法適用関連会社で子供服大手のナルミヤ・インターナショナルを買収すると発表した。買収額は約33億円。1株1230円でTOB(株式公開買い付け)を実施して、株式の保有比率を51.58%まで高める。ワールドは2018年6月にナルミヤの株式を10.0%取得し、さらに19年3月に買い増しを行って25.0%を保有していた。過去2回の株式取得で計37億円を投じていた。
ワールドはさまざまなブランドを展開する総合アパレル企業だが、子供服の分野は手薄だった。ナルミヤはワールドの持つ原材料の仕入れ、生産、物流、店舗開発、販売、デジタルなどのプラットフォームを活用することで相乗効果を見込む。ナルミヤはTOB後も上場を維持する。
ナルミヤは00年代前半には百貨店向けの「エンジェルブルー(ANGEL BULE)」や「メゾピアノ(MEZZO PIANO)」などジュニア服のブームを巻き起こし、04年1月期の売上高は約360億円に達した。だがブームが去ると低迷に転じて一時は140億円まで縮小。ポイント(現アダストリア)の社長を経て10年に就任した石井稔晃社長のもと、手薄だったショッピングセンター向け業態に力を入れ、「プティマイン(PETIT MAIN)」「ラブトキシック(LOVETOXIC)」などによって復活を果たした。22年3月期業績は、売上高が前期比16.9%増の345億円、営業利益が65.9%増の17億円を見込んでいる。