ファッション

北京冬季オリンピック開幕 「ラルフ ローレン」「アディダス」「ユニクロ」がウエアをデザインした国は?

 北京冬季オリンピック・パラリンピックが2月4日に開幕する。開会式や閉会式、表彰台などで着用される公式ウエアは、各国の文化に着想したデザインや、冬季大会ならではの機能性が盛り込まれている。パフォーマンスはもちろん、ウエアにも注目すれば、大会がもっと楽しくなるはずだ。ここでは日本とアメリカ、カナダ、ドイツ、スウェーデンの全5カ国の公式ウエアを紹介する。

日本:「デサント」

 日本代表選手団「チームジャパン(TEAM JAPAN)」の公式服装は、スキーにオリジンを持つデサントが担当した。同ブランドが冬季五輪の公式服装を手掛けるのは2014年のソチ大会以来だ。

 開会式と閉会式、渡航時に着用するのは、ネイビーブレザーとグレーのスラックス。ストレッチ性があり型崩れしにくい生地を使用し、ネクタイやチーフのデザインは「チームジャパン」のエンブレムに着想している。

 競技前に着用するウエアは、ダウンジャケットやストレッチジャケット、トレーニングジャケットなど。防寒性と防風性はもちろん、衣服内の温度調整やムレの軽減、動きやすい素材やカッティングなどの機能性を盛り込み、選手のストレス軽減を目指した。左胸に「チームジャパン」のエンブレムを、右胸に「デサント」のロゴを施したのもポイントだ。

アメリカ:「ラルフ ローレン」

 アメリカ代表の開会式ユニホームは、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」がデザインした。同ブランドは2008年からアメリカ代表の公式ウエアを手掛けている。今回は、国旗と同じ赤、青、白のカラーパレットで、アノラックパーカとミッドレイヤーのジャケット、パンツ、手袋、ブーツを制作した。温度によって異なる比率で伸び縮みする2種類の素材を使い、気温が下がると衣服に空間が生まれて断熱効果が高まる特殊技術“インテリジェント インサレーション”を採用し、素材はペットボトルを再生したポリエステル繊維をメインに使用するなど、サステナビリティも盛り込んだ。米国内で販売し、利益の一部は米オリンピック・パラリンピックチームに寄付する。

カナダ:「ルルレモン」

 カナダ代表の公式ウエアは、「ルルレモン(LULULEMON)」がデザインした。開会式のウエアは深みのあるオールレッドで統一し、いくつかのアイテムには顕微鏡でのぞいたメープルの葉のグラフィックを落とし込んだ。体形や好みに合わせて自由に組み合わせられるのも特徴で、例えばダウンジャケットは、身頃のジップで着丈をフル、ミドル、クロップドの3通りにアレンジできる。そのほか、表面の凹凸が空気を保ち、保温性を高める3Dニット素材や、4方向に伸縮し高い吸水速乾性を備える“ヌーラックス”素材など、複数の高機能素材を用いた。閉会式では、ベージュのウエアを着用する。

ドイツ:「アディダス」

 ドイツ代表の公式ウエアは「アディダス(ADIDAS)」が担当した。東京大会と同じく赤とゴールドをベースとしながら、寅年にちなんでブラックも組み込んだ。アシンメトリーなカラーブロックは、アスリートの大胆さと力強さを表現したもの。保温性と吸湿性に優れ、防風・防水性も備える機能素材を用いた。開会式では、防水ハイキングブーツ“テレックス パスメイカー(TERREX PATHMAKER)”を、表彰式ではハイキングシューズ“テレックス フリー ハイカー(TERREX FREE HIKER)”を着用する。商品としても提案するが、日本では販売しない。

スウェーデン:「ユニクロ」

 スウェーデン代表の公式ウエアは、東京大会に続いて「ユニクロ(UNIQLO)」がデザインした。スキー、スノーボード、カーリング選手の競技用ウエアのほか、開閉会式や表彰式などで選手が着用するウエアと練習着、休息着を提供する。冬の会場の気候リサーチと極寒遅でのモニターテストを経て、“ハイブリッドダウン”“ウルトラライトダウン”などをベースとする重ね着可能なウエアをそろえた。体を温めながら、汗による蒸れを逃して快適に過ごせる複数の新素材も開発。フィット感を高めるため、腹回りのもたつきを軽減する人間工学に基づいたパターンを取り入れている。

 サステナビリティも追求し、ウエアの7割にペットボトルを原料とする再生ポリエステル素材を使用した。ダウンアイテムに詰めているダウンやフェザーは100%リサイクルだ。ほかにも、藍など天然素材に由来する染色や、環境汚染物質とされるフッ素を使わないはっ水加工などを採用した。

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