「オン(ON)」は、2010年にスイス・チューリヒで誕生したスポーツブランドだ。創業者は、デュアスロンやトライアスロンの最高峰であるアイアンマンレースで活躍したオリヴィエ・ベルンハルド(Olivier Bernhard)と、デイビッド・アレマン(David Allemann)、キャスパー・コペッティ(Casper Copetti)の3人。ブランドは革新的なテクノロジーとデザイン性の高いシューズで「ランニングシューズ界のアップル」と評され、ランナーだけでなく多くのファンから支持を集めている。現在の取り扱い店舗は、日本の「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)」をはじめ世界50カ国、8100店舗以上にのぼるほどに急成長。春にはアジア初の旗艦店を東京・原宿にオープンし、アジアでのさらなるビジネス拡大を目指す。「オン」のデザイン哲学やビジネス戦略、シューズのサブスクリプションサービス「サイクロン」などから、その魅力に迫る。
最先端テクノロジーを採用した
シューズやウエア
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ランニング業界初
シューズのサブスクで循環型を実現
「オン」は、循環型ライフサイクルを目的としたシューズのサブスクリプションサービス「サイクロン」を夏から全世界でスタートする。同サービスはシューズの所有を前提としておらず、ユーザーが「サイクロン(Cyclon)」専用シューズ“クラウドネオ(Cloudneo)”を登録期間中に使用できる仕組みだ。ユーザーは6カ月ごとに新しいシューズとの交換が可能で、使用済みのものは梱包して返却する。返却されたシューズは100%再利用し、新しい“クラウドネオ”を作るというサイクルで運営していく。なお、配送時のCO2総排出量がシューズの製造過程の2~5%を占めることを鑑み、同サービスは「オン」が定めた申し込み数に達した地域でのみ開始するという徹底ぶりだ。
“クラウドネオ”の素材には、トウゴマの種子から抽出されるヒマシ油を原料にしたバイオポリマーのPA11(リルサン)を採用。PA11の優れた耐久性と柔軟性を、アッパーやシューレース、補強部分に生かしている。ソールには、軽量で100%リサイクル可能なペバックス®を取り入れた。そして、PA11とペバックス®という異なる2つの素材をまとめてリサイクル可能にする技術も開発。スイスの最先端テクノロジーを駆使しながら、環境への配慮に積極的に取り組む。
“パフォーマンス、デザイン、
サステナビリティが交わるのが「オン」”
WWDJAPAN(以下、WWD):ブランド名の由来は?
デイビッド・アレマン(以下、アレマン):「『オン』を履いた瞬間、自分のスイッチが入る」という思いを込めた。ロゴもスイッチをイメージしている。
WWD:競合が多いランニング市場で、勝算をどこに見いだした?
アレマン:創業時、多くのブランドがソールの素材改良に注力していた中、われわれはシューズの構造開発で差別化を図った。そして完成した製品をプロのアスリートに試してもらったところ、「雲の上を走っているようだ」という反響を多くもらった。ほかにはない製品ができたと確信し、そのテクノロジーを“クラウドテック®︎”と名付けた。
WWD:強みであるテクノロジーはどのようなチーム体制で開発している?
アレマン:われわれはイノベーション・カンパニーであり、テクノロジーはブランドの全て。社内には約200人のエンジニアが在籍し、素材の専門家やデザイナーが日々研究を進めている。“クラウドテック®︎”は、大きさや形を変えるだけで履き心地が変わる。わずかな調整でパフォーマンス用から日常向けまで応用でき、活用法は無限にある。
WWD:サステナビリティにも積極的だが?
アレマン:スイス・アルプス発祥のわれわれにとって、自然は“ホーム”だ。「オン」はパフォーマンス、デザイン、サステナビリティの3点が交わるポイントに位置するブランドでありたい。だから環境保護の取り組みの一環で、100%リサイクル可能な高機能シューズ“クラウドネオ”を開発し、それを循環させるためのサブスクリプションサービス「サイクロン」の仕組みも、約5年の構想を経て完成させた。
WWD:シューズのサブスクという発想がユニークだ。
アレマン:ネットフリックス(NETFLIX)やスポティファイ(Spotify)などのサービスからヒントを得た。リサイクル可能なシューズを作っても、使い終わって捨てられ、埋め立て処分されるなら意味がない。もしこの循環がうまくいけば、サステナビリティとパフォーマンスは共存可能だと証明できる。
WWD:アジア初の旗艦店をなぜ原宿に?
アレマン:日本にはランニングカルチャーが根付いているし、原宿はさらにライフスタイルとファッションが交わる街だ。ユースカルチャーやコミュニティーも活発なので、アジア初の旗艦店の地にふさわしいと考えた。アジアはビジネスとして成長が著しく、将来的には「オン」の大きな柱になると期待している。
WWD:日本出店を機に、アジア市場をどのように攻略していきたい?
アレマン:「オン」は“シューズブランド”から“スポーツブランド”へと成長している。中国に出店している7店舗のうち、一部ではアパレルが売り上げの25%を占める。日本でも服を売るノウハウがあるリテーラーと組み、原宿店ではフルラインアップで見せてアパレルを積極的に訴求したい。そして、日本のランニングカルチャーを中国にも広めていきたい。
“自分をアップデートすることを
諦めたくない”
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WWD:普段から体はよく動かす?
アミ:体を動かして汗をかくのが好きなので、ジムに週2、3回通っています。筋トレ以外にも、フットサルやサップもやります。あとは、ダンスですね。
WWD:アミさんにとってダンスとは?
アミ:一時期は、仕事として踊っているうちに、ダンスが本当に好きなのか分からなくなったことがありました。でもE-girlsの卒業などでダンスをする機会が減ったときに踊りたい衝動にかられ、自分の中で欠かせない存在だったのだと気付きました。この先も、ダンスが自分の表現方法のひとつでありたいです。
WWD:日常生活で心掛けていることは?
アミ:心を健康に保つことが一番なので、よく笑い、一緒にいて楽しいと思う人と過ごすようにしています。運動すると心も元気になりますよね。落ち込んでいても頑張ってジムへ行くと、帰りには「なぜあんなに落ち込んでいたの?」と思うほどスッキリしているんです。仕事に対しても、楽しい部分やテンションが上がる部分を見つけようと意識しています。
WWD:今日、撮影で着用した「オン」のアイテムの感想は?
アミ:“クラウドストラトス(Cloudstratus)”は、履いた瞬間「この靴なら早く走れそう」と思ったほど(笑)、フィット感とソールの反発が明らかに違いました。“ザ ロジャー センターコート(THE ROGER Centre Court)”はタウンユースのスニーカーでしたが、見た目もシンプルで、どんな服とも相性が良さそう。こちらも心地い良いフィット感で軽く、1日歩いても疲れなさそう快適さでした。ウエアはどれもスタイリッシュで体との一体感があり、着心地が良かったです。
WWD:今後挑戦したいことは?
アミ:新しいことはもちろん、今までやってきたことも続けていきたい。30代になり、結婚して環境や周りとの関係性が変化する中で、新鮮な気持ちで自分をアップデートし続けることは、簡単なようで難しいと気付きました。若い頃は、周りからいろいろなチャンスを与えてもらっていたけれど、それは当たり前ではなかった。自分に常に興味を持ち、アップデートすることを諦めない。地味かもしれないけれど、それが今の私の目標です。
(Dream Ami LOOK2/2)シューズ2万680円/オン(オン・ジャパン )、トップス3万3000円、スカート5万3900円/以上フルタ(フルタ info@furuta-official.com)、ネックレス4万7000円、リング(人差し指)4万3000円(中指)4万8000円、ピアス4万9500円、イヤーカフ(右耳)2万7500円(左耳)3万9600円/以上ジプフィー
※価格は全て税込
「オン トーキョー」では店舗内の天井と足元にスキャン用カメラを設置し、来店客が数歩走るだけでランニングスタイルを分析。誤差1.25ミリメートルの深度カメラでおすすめのシューズモデルや最適なサイズを提案するなど、最新技術による顧客体験を提供する。
オープン日:4月8日
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目17番27号
営業時間:11:00〜19:00(不定休)
PHOTOS : SASU TEI(W)【MODEL】
STYLING : YOSHI MIYAMASU(SIGNO)
HAIR & MAKEUP : MIDORI FUKUDA(LUANA)
オン・ジャパン
050-3196-4189