LDHのガールズグループHappinessのメンバーSAYAKAは、自身がクリエイティブ・ディレクターを務めるファッションブランド「シリウスエイティーワン(SIRIUS+81.)」を立ち上げた。公式ECサイトで予約販売中だ。自身が153cmと小柄なことから、低身長の女性に向けたアイテムを提供する。ファーストコレクションは、セットアップ(ジャケット1万2650円、パンツ9900円)やワンピース(9900円)、プルオーバー(7040円)などのほか、アクセサリーやシューズを含む23型を用意した。SAYAKAにブランドにかける思いを聞いた。
WWD:ブランドを立ち上げた経緯は?
SAYAKA:小さいころから服が大好きで、ファッション関係の仕事に興味がありました。アーティストとして活動する限り、ファッションに関わることは無理だろうと諦めていましたが、2018年には「ムルーア(MURUA)」とコラボして、自分が手掛けた服をファンに届ける機会をいただきました。20年にはLDHアパレル(LDH APPAREL)の「24カラッツ(24KARATS)」ともコラボしました。「ムルーア」とのコラボのときに一緒に仕事をした人が、私がものづくりにこだわる姿を見て、ブランドを立ち上げてみないかと提案してくれたんです。これは本気で取り組みたいと思い、去年ファッションデザインと色彩に関する資格を取りました。
WWD:「シリウスエイティーワン」の強みは?
SAYAKA:世の中にはかわいい服がたくさんあります。私だから発信できるものでないと手に取ってもらえません。私は身長が153cmで、普段から服はお直しして着ることが多く、バランス感にも気をつけてコーディネートしています。この感覚をアイテムに落とし込むことができたら、サイズ感に悩む人たちに寄り添えるのではないかと考えました。低身長の人は、かわいい印象を持たれがち。モードを軸にする「シリウスエイティーワン」では、私が憧れるクールで強い女性像に近づけるアイテムを提案したいです。
WWD:SAYAKAさんは身長をコンプレックスに感じることもある?
SAYAKA:アーティストとして、身長をネックに感じたことはありません。むしろ自分のスタイルとして楽しんでいます。“Sサイズモデル”のような、小柄な人が参考になるスタイリングを発信する存在になりたいです。
WWD:ブランド名の由来は?
SAYAKA:“sirius”は最も明るいといわれる星の名前から取りました。出身地の宮崎県は、星がとてもきれいに見えるんです。星のように小さくても輝いてほしいという思いを込めました。あえて小文字で表記している点もポイントです。“+81”は、国際電話の日本の国番号です。日本発であるという原点を忘れないように、そしていつか日本を代表するブランドになりたいという願いで名付けました。
WWD:ファーストコレクションへのこだわりは?
SAYAKA:私は日々いろんなジャンルの服を着ます。ファッションで自分のさまざまな表情を引き出すのが楽しいんです。「シリウスエイティーワン」でも、カジュアルなアイテムから少しフォーマルな印象のものまで、幅広く用意しました。また、1着でたくさんの着方ができ、レイヤードしやすいようにこだわりました。例えばジャケットの生地は、ほかのアイテムと合わせやすい色味を厳選しました。色や柄はちょっとのブレがあると、理想の合わせ方と全然違ってしまうので、期日ギリギリまで何度も試作を繰り返しました。袖のスリットから腕を出して着たり、丈が長いのでワンピース風に着たりもできます。カントリースタイルのブーツは、足のラインがきれいに見える幅や丈を調整しました。美脚ブーツは受注会初日で売り切れるほど好評で、今後シリーズ化する予定です。ユニセックスのプルオーバーやTシャツも人気で、受注会では男性のお客さまからも好評でした。
WWD:今度ブランドをどのように広めていく?
SAYAKA:販路はECがメインですが、地方も含めていろんな場所で受注会を開催したいです。実際に商品を手に取ってくれたお客さまからはたくさんフィードバッグをもらいました。リアルな意見を取り入れながら、改善していきます。ファンの皆さまはもちろん、単純にファッションが好きな人、サイズが合う服が見つからなくて困っている人たちに広く届いてほしいですね。
WWD:SAYAKAさん自身の今後の目標は?
SAYAKA:私は今年で27歳になります。ブランドを始めることができ、小さいころに漠然と描いていた夢を実現できる年齢なんだなと実感しています。これからはやりたいと思ったことにますます果敢に挑戦するつもりです。次は、ブランドとしてもアーティスト個人としても、海外を目指してがんばります。