唯一無二性を打ち出し、全館のあちこちでポップアップショップやイベントを連打。劇場やミュージアムも抱え、常に話題に富むのが渋谷パルコだ。オープンから2年を経て、顧客化が進む一方で、SNS等による幅広い発信にも注力している。パルコの柏本高志執行役員渋谷店長に秋冬の商況を聞いた。
WWD:2021年7〜12月の商戦を振り返ると?
柏本:売上高は前年同月比26.9%増。コロナの第5波ということで8、9月は伸び悩んだが、全月前年をクリアした。特に12月は同56.4%増と大きく回復したこともあり、順調に推移しているという認識だ。
WWD:順調な要因は?
柏本:唯一無二性の追求、ブランディングとCRMの部分でうまくいったのではないだろうか。9月はアウトドアウイークやアートウイーク、11月は開館2周年記念として、ミッキーマウスのアート展示をミュージアムで開催し、コラボレート商品もいくつかのブランドで発売したところ、とても好評だった。こうしたパルコの独自性を発揮した企画で来店の動機づくりをすることと同時に情報発信にも注力している。ウェブやSNSを通じて、広域に発信。2周年の際には小泉今日子さん、永山瑛太さんに出演してもらい、館内を巡ってもらった。出店者の力に依るところも大きかったが、パートナーとして一緒に組めていると思う。渋谷パルコのフィルターを通すことによって、新しい人たちに情報発信できたり、アプローチできたりするのは、われわれの存在価値の1つだと思う。また、この2年で顧客基盤ができてきた。12月のポイントカードおよび公式アプリユーザー取扱高は前年同月比71.9%増で、顧客化が進んでいることを実感した。
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