ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の2021年12月期連結決算は、売上高が前期比1.3%増の1786億円、営業利益が同22.8%増の168億円、経常利益が同50.8%増の189億円、純利益が同153.3%増の117億円だった。主力ブランドの「ポーラ(POLA)」の国内ECや海外事業が好調に推移した。
「ポーラ」は、売上高が同2.2%増の1051億円、営業利益が同49.8%増の163億円だった。委託販売に苦戦するも、国内ECの売り上げが同49.8%増、海外が同24.6%増と伸長した。
「オルビス(ORBIS)」は、売上高が4.5%減の433億円、営業利益が同19.1%減の59億円だった。シワ改善・美白ケアの“リンクルホワイト”シリーズなど高機能のスペシャルケアが後押しし、スキンケアカテゴリーは前年を上回る水準まで伸長した。海外では中国市場で主要ECプラットフォームの売り上げが伸長したが、国内事業の売り上げ減少をカバーできなかった。
育成ブランドに掲げる「スリー(THREE)」は、売上高が同4.2%減の70億円、営業損益が13億円の赤字(前期は9億円の赤字)だった。ポイントメイクカテゴリーが苦戦した。
通販を中心に展開する敏感肌向けスキンケアブランド「ディセンシア(DECENCIA)」は、売上高が同0.9%増の55億円、営業利益が21.4%増の8億円と伸長した。新規顧客の獲得と既存顧客の活性化が寄与し、売上高が同0.9%増の55億円、営業利益が21.4%増の8億円と伸長した。
22年12月期連結決算は売上高が前期比4.1%増の1860億円、営業利益が同4.8%増の177億円、経常利益が同6.7%減の177億円、純利益が同1.4%増の119億円を見込む。
今後の取り組みでは、今年創業35周年を迎える「オルビス」は大型商品を投入し、「ポーラ」はOMO施策の強化を図る。また、育成ブランドにおいては、「スリー」「アンプリチュード(AMPLITUDE)」「イトリン(ITRIM)」を擁するアクロ全体の黒字化に向け、店舗圧縮やEC比率を高め、スキンケア比率の向上を図る。21年4月に買収したパーソナライズサプリメント「フジミ(FUJIMI)」は、ルミネ新宿店ルミネ2に初の直営店を3月にオープンし、ブランディングを強化する。
同社は、創業100周年を迎える29年に向けた長期経営計画を発表した。化粧品事業のグローバル展開とフブランドポートフォリオの改革と拡充、新価値を創出し事業の領域を拡張、研究・技術戦略の強化、と3つの戦略を掲げ、29年の売上高3000億円、海外売上高比率30〜35%、営業利益率15%以上を目標に掲げる。
さらに、同社で定めたプラスチック循環方針に基づき、29年までに化粧品プラスチック容器や包材について100%サステナブルな設計にする目標を決定した。グループ全ブランドにおいて、22年7月以降、商品購入時に渡していたショッピングバッグ(買い物袋)の配布を廃止する。