毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2022年2月28日号からの抜粋です)
美濃島:コロナ禍によって、屋外でのアクティビティーにシフトする動きがあり、幅広く取材しました。強く思ったのは、やはり自然の中で運動するのは気持ちいい、ということ。その前向きな気持ちを際立てるために、“自然”をキーワードに特集を考えました。
関戸:何かきっかけがあったんですか?
美濃島:ランニングクラブを取材したのですが、かつては街中を走っていたけれど、感染拡大の状況を踏まえて、山や海岸を走るようになったそう。僕も一緒に逗子で走ってみると、鳥の声を聴きながらだったりで、本当に気持ちよくて。内面にもいい影響を及ぼすから、ランニング以外のフィットネスやアクティビティーでも「外に出る」という選択肢が能動的に生まれているんだと思います。
関戸:そうだったんですね。私は前職で女性誌を作っていたのですが、体を動かすって、ボディーメイクや痩せるためのものと考える人が多いと思っていたんです。実際そういう特集も多かったですし。でも今回の取材や撮影を通して、健康やメンタルヘルス、自分自身を整えたり、頭をリセットしたりするために運動と向き合っている人も多いんだなと思いました。
美濃島:そうですね。生活にどういう影響があるのかや、カロリー消費だけではない、運動のメンタル効果は今回伝えたいところです。アシックスのマーケティングの女性が、丸1日オンラインミーティング尽くしの中で、3キロ走るだけでも内面的にリフレッシュできるという話をしていて。スポーツメーカーの方が、新しいスポーツの価値を広げていくようにアプローチするのも、市場が盛り上がるきっかけになりそうだなと思いました。表紙のシャンユー(xiangyu)さんもすごく気持ちのいい笑顔ですよね。
関戸:はい。明るくハッピーな印象を出すために、青空をバックに彼女の笑顔が映えるものを撮りたいと思いました。シャンユーさんのきれいな腹筋は毎日のヨガの賜物だそうですが「“太る”“痩せる”というよりは、自分が居心地のいい体形やメンタリティーを大事にしたい」と語っていて共感できました。
美濃島:読者が「何か運動しようかな」と感じてくれたらうれしいですね!